本日の症例も超難問でした。少なくも編集長には・・
中部病院の症例検討会というのは命を削って行うものだな・・。
だいたい超難しいのに1時間しか使えない
臨床経過:
60代女性。「主訴」はShock(本人はしゃべれない)
10日ほど前に体動時に悪化する腹膜刺激症状を伴う右下腹部痛で婦人科に入院。
腹部CTで漿膜下子宮筋腫を認め、CTRX+CLDM+DOXYを処方され、24時間で回復。
既往には高血圧とDMあり。
編集長はDM hides(糖尿病は解剖、微生物、重症度を隠す)というPearlを披露。
1週間ほどで退院したが、「退院当日」に悪心・嘔吐・水様下痢、Shock、無熱、意識↓↓
再度入院し、そのままICU管理となる。
ここで編集長は注目すべき期間を婦人科入院加療も含めた「10日間」とするか退院後に急変した「2日間」とするかで迷っていると宣言。どちらにするかで原因微生物の名前がDrasticに変わるから。
身体所見:
基本的に大きな異常は無い。項部硬直(-)も含めて。(しかしDMだから使えない)。
水様便により股間に湖を形成。
検査所見は適当に異常か正常。しいて言えば凝固は異常、腎機能↓(S-Cr:2.5mg/dL+検尿は+/-程度)。
肝機能は初期正常だがすぐに超異常。胸部写真はNP。
画像は小腸、大腸、共に浮腫状。その他は前回入院と同じ。
便のグラム染色は白血球は略(-)、グラム陽性球菌++
試験回復するも既述以外に大きな所見は無く、Myomaを切除して終わる。膿瘍などは無くて培養は陰性。
血培:陰性。しかし便、喀痰など、あちらこちらからMRSA検出。但しTSS1毒素は陰性。
治療:
MRSA、GNR、嫌気性菌、などに有効な抗菌薬やグロブリン等を投与するもRescueできなかった。
ここで編集長コメント:
1)同時に肝機能と腎機能が異常を示す時はToxin関連を考える。
2)もし今回の臨床経過を「2日間」と既定するならば「昨日元気で、今日ショック症候群」を考える。
Presentation側の最終診断:
MRSA腸炎+TSS?
← 編集長:No!!
編集長の心の中の診断:
恐らくTSSだがToxinが検出されないタイプのもの。
恐らく、どこかにMRSAが潜んでいて、それがToxin産生して病態を形成。
MRSAが、その増殖力、増殖速度ゆえに二次的に色々な検体のグラム染色や培養で目立っている。
タイトル写真:
Presenter内科研修医のY先生。(ご苦労様でした)
中部病院の症例検討会というのは命を削って行うものだな・・。
だいたい超難しいのに1時間しか使えない
臨床経過:
60代女性。「主訴」はShock(本人はしゃべれない)
10日ほど前に体動時に悪化する腹膜刺激症状を伴う右下腹部痛で婦人科に入院。
腹部CTで漿膜下子宮筋腫を認め、CTRX+CLDM+DOXYを処方され、24時間で回復。
既往には高血圧とDMあり。
編集長はDM hides(糖尿病は解剖、微生物、重症度を隠す)というPearlを披露。
1週間ほどで退院したが、「退院当日」に悪心・嘔吐・水様下痢、Shock、無熱、意識↓↓
再度入院し、そのままICU管理となる。
ここで編集長は注目すべき期間を婦人科入院加療も含めた「10日間」とするか退院後に急変した「2日間」とするかで迷っていると宣言。どちらにするかで原因微生物の名前がDrasticに変わるから。
身体所見:
基本的に大きな異常は無い。項部硬直(-)も含めて。(しかしDMだから使えない)。
水様便により股間に湖を形成。
検査所見は適当に異常か正常。しいて言えば凝固は異常、腎機能↓(S-Cr:2.5mg/dL+検尿は+/-程度)。
肝機能は初期正常だがすぐに超異常。胸部写真はNP。
画像は小腸、大腸、共に浮腫状。その他は前回入院と同じ。
便のグラム染色は白血球は略(-)、グラム陽性球菌++
試験回復するも既述以外に大きな所見は無く、Myomaを切除して終わる。膿瘍などは無くて培養は陰性。
血培:陰性。しかし便、喀痰など、あちらこちらからMRSA検出。但しTSS1毒素は陰性。
治療:
MRSA、GNR、嫌気性菌、などに有効な抗菌薬やグロブリン等を投与するもRescueできなかった。
ここで編集長コメント:
1)同時に肝機能と腎機能が異常を示す時はToxin関連を考える。
2)もし今回の臨床経過を「2日間」と既定するならば「昨日元気で、今日ショック症候群」を考える。
Presentation側の最終診断:
MRSA腸炎+TSS?
← 編集長:No!!
編集長の心の中の診断:
恐らくTSSだがToxinが検出されないタイプのもの。
恐らく、どこかにMRSAが潜んでいて、それがToxin産生して病態を形成。
MRSAが、その増殖力、増殖速度ゆえに二次的に色々な検体のグラム染色や培養で目立っている。
タイトル写真:
Presenter内科研修医のY先生。(ご苦労様でした)