いまは日本でも不活化ポリオワクチンを接種できるようになりましたが、認可される前は「生ワクチン」を使用することによって、非常に稀ではありますがポリオを発症してしまうお子さん達がいました。
生ワクチンじたい重要です。
しかし、ポリオのワクチン場合は「仕方ない」のではなく、生ワクチンよりも安全に接種できる不活化ワクチンの選択肢が与えられていないということが課題でした。
もっとも、事情をよくしる医療者は、自分の子どもには未承認・輸入の不活化ワクチンを選んでいましたし、海外の事情に詳しい人などは、未承認ゆえに補償がないとしてもそちらがよいとして（海外での安全の実績があるから）高いお金を払って不活化ワクチンを接種している人もいました。
独占1社がつくっていた生ワクチン。
日本では不活化ワクチンの選択肢が与えられない情況。
それをかえる大きな力となったのは「ポリオの会」の皆さんでした。
「当事者の声」というのはどのようなテーマでも問題を考える際の主軸になります。
Youtube 「早急に ポリオワクチンを不活化ワクチンに 切り替えてください」
そして「その後」です。
実はこれでポリオの問題が終わったわけではありません。
ポリオウイルスに感染して発症した人たちの人生の後半の問題があります。
「ポストポリオ症候群」といいます。
PPS Post Polio Syndrome
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センターHPで紹介されている内容としては、ポリオの再発ではなく2次障害、つまり時間軸にしてその後に続けて起きているととらえられています。
"５０～６０歳前後に達したころに手足の筋力低下、しびれ、痛みなどの症状が発現して、日常生活ができなくなったとの相談をしばしば受けています。"
症状が多彩で、ポリオの知識がない、以前感染したポリオウイルスが問題なのでは、、、と考えないとPPSの診断にはいたりません。
"筋力低下（筋肉が弱くなった、力が入らなくなった）と筋萎縮（筋肉が痩せた、筋肉が細くなった）が多いですが、筋肉痛、関節痛、筋線維攣縮（筋肉内の筋線維がぴくぴくと細かく動く過敏現象）、びりびり感など、多彩です。冷感（障害のある手や足を氷のように冷たく感じる）、感覚鈍麻（感じが鈍くなる）、腰痛、全身倦怠感（全身がだるい）を自覚する人もいます。ＰＰＳの諸症状は、後遺症のある同じ手や足に現れることが多いですが、他の手足に発現することも"
ポリオの知識がなく、この症状だけだとフォーカスや対応に医療者も戸惑います。
Halsteadらは、PPSの診断基準として、
①麻痺性のポリオの確実な既往
②部分的または完全な神経学的・機能的回復
③少なくとも15年以上の神経学的・機能的安定期間
④安定機関を経過した後に以下の健康問題が二つ以上発生
普通でない疲労、筋肉痛、関節痛、麻痺側または非麻痺側の新たな筋力低下・機能低下、慣例に対する耐性の低下、新たな筋萎縮
⑤以上の健康問題を説明する他の医学的な診断がない。
をあげています。
「臨床神経医学」2016年1月号に「ポストポリオ症候群の１剖検例」が掲載されており、編集部あてに定期的に送っていただいている「ポリオの会ニュース」でも紹介されていました。
つらい症状ですから、どのようにすれば改善するのか。
ポリオの会の代表の小山さんと以前お話をしたときに、「私が死んだらぜひ解剖して研究してくださいってお願いしているんです」と語っていたのを思い出します。
「自分達の世代のためだけでなく、生ワクチンで感染した、まだ小さい子や思春期の子達のために早く診断や治療法をみつけてほしいから」
ワクチンで感染してしまったお子さんやご家族のことをずっとずっと気にかけていらっしゃいます。
小山さんのブログ記事 「ポリオ生ワクチン被害者がうずもれないように」
当時は大騒動になったこの問題も、「その後」を伝える報道はほとんどみかけません。
感染症は流行しないほうがいいです。
流行しなくなると、予防の大切さ、予防に取り組んでいる人たちの仕事が見えにくくなりますが。
まだ予防できるこの病気で苦しんでいる人たちがいます。
そして、予防接種を普及させるための地道な仕事は、海外では従事者が殺されたりと命がけの業務であります。
Youtube 原因もわからず子ども達が死んでいく恐怖の時代からワクチン開発へ
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の１ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の２ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の３ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の４ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の５ 昭36 Polio Japan
生ワクチンじたい重要です。
しかし、ポリオのワクチン場合は「仕方ない」のではなく、生ワクチンよりも安全に接種できる不活化ワクチンの選択肢が与えられていないということが課題でした。
もっとも、事情をよくしる医療者は、自分の子どもには未承認・輸入の不活化ワクチンを選んでいましたし、海外の事情に詳しい人などは、未承認ゆえに補償がないとしてもそちらがよいとして（海外での安全の実績があるから）高いお金を払って不活化ワクチンを接種している人もいました。
独占1社がつくっていた生ワクチン。
日本では不活化ワクチンの選択肢が与えられない情況。
それをかえる大きな力となったのは「ポリオの会」の皆さんでした。
「当事者の声」というのはどのようなテーマでも問題を考える際の主軸になります。
Youtube 「早急に ポリオワクチンを不活化ワクチンに 切り替えてください」
そして「その後」です。
実はこれでポリオの問題が終わったわけではありません。
ポリオウイルスに感染して発症した人たちの人生の後半の問題があります。
「ポストポリオ症候群」といいます。
PPS Post Polio Syndrome
公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センターHPで紹介されている内容としては、ポリオの再発ではなく2次障害、つまり時間軸にしてその後に続けて起きているととらえられています。
"５０～６０歳前後に達したころに手足の筋力低下、しびれ、痛みなどの症状が発現して、日常生活ができなくなったとの相談をしばしば受けています。"
症状が多彩で、ポリオの知識がない、以前感染したポリオウイルスが問題なのでは、、、と考えないとPPSの診断にはいたりません。
"筋力低下（筋肉が弱くなった、力が入らなくなった）と筋萎縮（筋肉が痩せた、筋肉が細くなった）が多いですが、筋肉痛、関節痛、筋線維攣縮（筋肉内の筋線維がぴくぴくと細かく動く過敏現象）、びりびり感など、多彩です。冷感（障害のある手や足を氷のように冷たく感じる）、感覚鈍麻（感じが鈍くなる）、腰痛、全身倦怠感（全身がだるい）を自覚する人もいます。ＰＰＳの諸症状は、後遺症のある同じ手や足に現れることが多いですが、他の手足に発現することも"
ポリオの知識がなく、この症状だけだとフォーカスや対応に医療者も戸惑います。
Halsteadらは、PPSの診断基準として、
①麻痺性のポリオの確実な既往
②部分的または完全な神経学的・機能的回復
③少なくとも15年以上の神経学的・機能的安定期間
④安定機関を経過した後に以下の健康問題が二つ以上発生
普通でない疲労、筋肉痛、関節痛、麻痺側または非麻痺側の新たな筋力低下・機能低下、慣例に対する耐性の低下、新たな筋萎縮
⑤以上の健康問題を説明する他の医学的な診断がない。
をあげています。
「臨床神経医学」2016年1月号に「ポストポリオ症候群の１剖検例」が掲載されており、編集部あてに定期的に送っていただいている「ポリオの会ニュース」でも紹介されていました。
つらい症状ですから、どのようにすれば改善するのか。
ポリオの会の代表の小山さんと以前お話をしたときに、「私が死んだらぜひ解剖して研究してくださいってお願いしているんです」と語っていたのを思い出します。
「自分達の世代のためだけでなく、生ワクチンで感染した、まだ小さい子や思春期の子達のために早く診断や治療法をみつけてほしいから」
ワクチンで感染してしまったお子さんやご家族のことをずっとずっと気にかけていらっしゃいます。
小山さんのブログ記事 「ポリオ生ワクチン被害者がうずもれないように」
当時は大騒動になったこの問題も、「その後」を伝える報道はほとんどみかけません。
感染症は流行しないほうがいいです。
流行しなくなると、予防の大切さ、予防に取り組んでいる人たちの仕事が見えにくくなりますが。
まだ予防できるこの病気で苦しんでいる人たちがいます。
そして、予防接種を普及させるための地道な仕事は、海外では従事者が殺されたりと命がけの業務であります。
Youtube 原因もわからず子ども達が死んでいく恐怖の時代からワクチン開発へ
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の１ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の２ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の３ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の４ 昭36 Polio Japan
Youtube ポリオ 日本根絶の記録 上田哲 ５分の５ 昭36 Polio Japan