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Channel: 感染症診療の原則
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ICAAC/ICC 2015 Keynote講演#4

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本日もICAAC/ICC 2015 Keynote講演です。 演者はテキサス大学のBarbara Murray先生
腸球菌、E.faeciumに移ります。

疫学的な事:
・E.faeciumは腸球菌感染症の1/3を占める一方で、多くのProbioticsとして米国や日本で販売されているものの中に含まれています。
・アンピシリン感受性は二峰性を示す。MICが高いCladeAは、院内感染症株、米国では70-80年代に出現。
・E.faeciumはE.faecalisに比べてアンピシリンにもバンコマイシンに対しても耐性率が比較にならない程、高い。

・欧州ではE.faeciumのVREの割合は低い(数%が多い)。対して米国では75%がVREである。

VREのDominance:
・これらの株が重症例では通常の腸球菌を置き換える。そしてVREの血流感染症が↑
・CladeAのSubcladeA1の特徴:
①Large genome
②Mobile elements(例:Plasmid)が多い
③キノロンFQ耐性率高い
④Piliが多いなど腸管にAffinityが高い
⑤PBP5-R:アンピシリン耐性。
⑥PBP5-R株は、同時にVCM耐性も獲得する傾向。

VREのDecontamination:

・肝臓移植の前に経口でLinezolid、静注でDaptomycinを投与する。
・成功する時もあるし、しない場合もある。
・これらの予防投与が将来、更に耐性菌を増やすのではないかと演者は心配。
・実際にDaptomycin耐性のVRE増加の報告も↓
Kamboj M
Emergence of daptomycin-resistant VRE: experience of a single institution.
Infect Control Hosp Epidemiol. 2011 Apr;32(4):391-4.
PMID: 21460492

写真:めったに見られない組み合わせで某医学◎院雑誌、座談会 企画By笠原先生

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