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ICAAC/ICC 2015 Keynote講演#3

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本日もICAAC/ICC 2015 Keynote講演です。
演者はテキサス大学のBarbara Murray先生


広域抗菌薬使用が腸管の免疫を変化させ腸球菌を増殖させる。

Brandl K, Pamer EG.
Vancomycin-resistant enterococci exploit antibiotic-induced innate immune deficits.
Nature. 2008 Oct 9;455(7214):804-7.
PMID: 18724361

コメント:
・院内感染症としての腸球菌感染症は第三世代セファロスポリン3GCの使用と共にやってきた。
・例:VRE、βラクタマーゼ賛成株、PBP4変異株など
・その理由として簡単に想像できるのは腸球菌が3GCに耐性だから・・でも、それだけではない!
・実は広域抗菌薬の使用によるGNRの減少は腸管内の免疫をGPC有利に変える・・という論文
・3GC使用→腸内GNR減少→レクチンであるREGⅢγというタンパク(GPC増殖を抑制する効果あり)が減少→GPC増加→腸球菌増加
(因みにレクチンとは「糖鎖に結合活性を示すタンパク質の総称」との事です)


Kinnebrew MA, Pamer EG.
Bacterial flagellin stimulates Toll-like receptor 5-dependent defense against vancomycin-resistant Enterococcus infection.
J Infect Dis. 2010 Feb 15;201(4):534-43.
PMID: 20064069

コメント:
・同様にGNRの出すLPSやFlagellinがレクチンであるREGⅢγを増加させ、結果としてVREを減少させた。
・ならばCDIのようにVRE治療にも「Fecal transplant」を施せば良いかも・・

―――――――――

院内感染で腸球菌は種々の遺伝子の「供給」を受ける。

José Luis Martínez & Fernando Baquero
Emergence and spread of antibiotic resistance: setting a parameter space
Upsala Journal of Medical Sciences. 2014; 119: 68–77

コメント:
・ある腸球菌は、その遺伝子の25%は「Acquired」のものであった。
・時にバクテリオファージ「Phage03」のElementが腸球菌から見つかる。
・余計な遺伝子を持つ事は微生物にとり危険でもある。

Gilmore MS
Pheromone killing of multidrug-resistant Enterococcus faecalis V583 by native commensal strains.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 Jun 9;112(23):7273-8.
PMID: 26039987

コメント:
・通常の腸球菌が耐性の腸球菌を殺した。
・ならば、なぜ、病院では通常の腸球菌を押しのけて、耐性腸球菌がのさばるのか?
・やはり、抗菌薬の選択圧なのか・・?

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