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Channel: 感染症診療の原則
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その後のエボラ

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報道が扱わなくなると関心低下→その後がどうなったかわからないので、人々に記憶としてうっすら残るのはじゃんじゃか報道されていたヒートアップ中の情報精度に問題があるときのイメージ、ということがあります。

例えば、産婦人科の人手不足等を背景に問題となった大野病院事件
医療関係者はこの後どのようになっていったのか、情報を追えている人もいると思いますが、一般の人では今でも「医師」「病院」のままかもしれません。

「続報」を伝えるジャーナリストや媒体が増えるといいですね。


この関連で、エボラがその後どうなったのか、、という話を紹介したいと思います。

潜伏期間の倍つまり21×2の42日間、新規の感染が発生しなくなれば、一応アウトブレイクが終わったと考え、その後は強化サーベイを続けて「本当に新規感染はとまっているのか」をチェックします。
何日やればいいのか決まりがあるわけではありませんが、便宜的に90日間等設定されています。

この間に何をするかというと、「誰かが死んだ」となったときに、全部エボラの検査をします。
もれなくやるのは国や地域によっては難しいかもしれませんが、その努力が行われているというわけです。

リベリアが再びエボラフリーとなった直後に、シエラレオネで1例発生しています。

Ebola is back … or never left

死亡した症例は22歳の女性。金曜日にWHOが確認しています。
Port Loko地域のLunsarの女性で、ギニア国境近くの Kambiaに1月6日まで滞在しもどってきました。
1月6日が発症日と考えられており、体調不良になったこの女性は家族のいるTonkaliliに戻ります。
近くの病院を受診していますが、ここではエボラウイルス病は検討されていません。
その後、重症化して亡くなります。
問題はこの先です。この女性のお葬式が、WHO等が提案している安全な方法では行われませんでした。
木曜日の時点で、接触者は27名となっています。

ring vaccinationについてはまだ評価は一致していません。

High effectiveness found in Guinea Ebola ring vaccination trial

Ring vaccination could help limit spread of Ebola

動物由来でワクチンがない感染症はゼロにはなりませんし、またどこかで別のリンクのない感染症が把握されることもありますので、日常から2次感染が起きないように支援することが落としどころのようにおもいます。

病院のスタッフへの技術支援や、必要物品確保の支援など、地味に継続していくべきことはいくつもあります。


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