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Channel: 感染症診療の原則
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寿司屋と手袋

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以前、編集部で出かけた都内のお寿司やさんで見たホラーな光景は、職人がおもむろに口のなかに手を入れ、歯の不具合をなおし、そのゆびは前掛けでフキフキし、その手はそのまま酢飯桶に....というものでした。

腸チフスやノロなどの集団事例では、トイレの手洗い場の蛇口の不具合で水がちょろりんしか流れず、手拭きの布タオルがぶらさがっていた等、問題がおきるときはおきるであろう要因がたいていあります。

あるいは食材そのものの汚染。

A型肝炎患者(寿司店主)が感染源と思われるA型肝炎ウイルスによる食中毒-岐阜県
A型肝炎ウイルスによる食中毒事例―千葉市 
患者の共通食が当該寿司店によって提供された食事に限られていること、患者および調理従事者の便からHAVが検出された
リジン脱炭酸試験陰性のSalmonella Enteritidisによる集団食中毒事例-京都市


だから「手袋」という話には必ずしもなっないませんが。

そういうお店や人は他の管理も甘いと推定できるので行くのやめる。という手っ取り早い危機管理もあります。

Sushi Dojo Closed by DOH, Chef David Bouhadana Fights "No-Glove" Ruling

ニューヨークで寿司屋で手袋着用論争がおきているそうです。

これまで入った米国のお寿司やさんでも(地域は忘れましたが)手袋してるところはありました

上記の日本語記事にあるように、使い方をまちがうとかえって危険になったりもします。
(つけっぱなし、とか)

"陰謀さん"ならなんと分析するか。
「手袋製造業者の企みだ!」とか「病院であまった在庫をはくためだ」とかですかね。


飲食店で手指の汚染が規模の大きな食中毒事件になることはよく知られており、マスクや手袋をして食品や食材を扱うお店も増えています。

寿司屋はそれと比べると“違う”世界でありますが、日本でも手袋を!という議論はあるのでしょうか。
使い方を徹底するよりは、手洗いを確実にする方が仕組みとしては取り組みやすいのではないかとおもいますが。いずれにしても手指だけの話ではないので、どのあたりでバランスをとるか、ですね。

お寿司だけでなく、最初に出てくるセットのサラダなどが、手でつままれていないかしら(トングや手袋つかっているかな)と気になるアウトブレイク事例が今年もいくつかありました。

(「寿司」×「汚染」で検索したら放射能の話題がたくさんでてきましたので、人によってだいぶ関心の違いがありますね)


参考 トイレのタオルをいつ変えているか?一般家庭(n=32)の調査で、タオルの汚れ具合を培養した実験が紹介されています。(石鹸の会社のホームページ)

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