沖縄県立中部病院Boot camp　Day#2-1

本日は中年女性、医療従事者。

主訴は右肩が痛い。

HPI：
4-5日前から、右肩が痛く近医・整形外科受診。ｽﾃﾛｲﾄﾞの関節内注射を受けるが改善しない。
再度、受診してMRIをとると僧帽筋（右側）に液体貯留。
某県立病院を受診。
既往歴などに、特記すべきことない。

身体所見：
SIRSのVital sign
以前、指摘されていない新しい心雑音（収縮期3/4）が心尖部？
他は問題無い。

検査所見：
白血球数↑、貧血（Hb:4.7g/dl,MCV:75,)、血小板↑
検尿、白血球＋、菌＋
胸部写真：異常なし
僧帽筋穿刺：膿性、白血球＋＋、GNR＋＋、（ここでPresenterが知らせそこなったのは悪臭）

編集長ｺﾒﾝﾄ：
可能性のあるシナリオ
１）New心雑音＋発熱＋右肩関節痛腫脹＋僧帽筋膿瘍　←　IE
２）貧血＋右肩関節腫脹＋僧帽筋膿瘍　←　グラム陽性菌菌血症（グラム染色は脱色しすぎてGNR？）＋溶血

入院後経過：
多量の”生理”が・・

編集長ｺﾒﾝﾄ：
ここはB.fragilisを含むGNRをカバーして検索を進める必要がある。
”出血”　”生理”があっても妊娠の可能性は除外不可能なので妊娠反応が大事

入院後経過２：
経膣エコーで子宮頚部に血液塊　→　子宮内感染症
血液培養：B.fragilis

編集長コメント：
僧帽筋穿刺液の悪臭を知らされていたら、もう少し早く子宮に肉薄できたと思います。
婦人科領域の情報は得るのが難しい。
それでも、横隔膜より下由来の菌血症までは迫れたが、昨日の症例同様、大量”生理”、悪臭の情報無くしては攻めきれない。