ワクチンや予防接種(とか他の医薬品でもいいんですが)についてネガティブな人たちがいます。ポジティブな人もいます。100かゼロという極端な人は少数で、その程度には差があります。
「断固反対、他の人のアクセスや選択も認めない!」という人もいれば、「自分は選択しないが他の人のことは知らない」という人もいます。
反対まではしていないけれど「疑問」「懐疑」の人もいるし、感染症や合併症の方が怖いのはわかっているのでしているけど「躊躇」がある、という人もいます。
判断の根拠は情報源や自分や半径2メートルくらいのところで知る体験談だったり、専門家向けのデーターベースや論文にアクセスするような人もいます。
見ている情報とその情報探しの目的もこれまた多様で、例えばワクチンの安全性や有効性はよいとしても、大勢の人に接種することは「むだじゃないか?」「費用対効果がよくないのでは」ということでの反対や批判もあります。これはとても重要なことで、各国共にそう簡単には採用しない仕組みがあります。
現在は男子にもHPVワクチンを公費で接種できる唯一の国がオーストラリアで、開発した研究者もオーストラリアの大学の先生なわけですが、公費枠で採用するのかには時間がかかり、さらに男性に接種を拡大する際には納入価格をメーカーに大幅ディスカウントさせています。
また、ワクチン接種世代の女性が子宮頸がんスクリーニングの健診間隔を開けたりと全体のコストのバランスをとりつつ「がんの発見」ではなく「がんを予防する」ことにシフトさせる努力があります。
有効性や安全性を検証し、政策として国民全体の健康を支えるということが信頼にもつながっています。
ワクチンだけ、健診だけ拡大、、、だと背景にメーカーの思惑があるんじゃないのと言われるようなことがおきかねません(起きている国がありますね・・・)。
「利用する」人たちがいます。テーマはいろいろあるのですが、ここではワクチン問題をビジネスに利用する人たちがいる話を紹介します。
「反ワクチン」ビジネスとしましょう。
医薬品に利権があるという指摘はそのとおりだとおもいます。それと同じように「反ワクチン」利権もあるわけです。
メディアの場合は、反○○とは別に被害者ビジネス的な側面があります。
被害はより大きく伝えようとし、回復した/よくなる情報はフォローしてないような場合。
悲惨でないと困る、被害者が減ると困るカテゴリーのひとつです。
先にストーリー建てがあり、取材先が偏り、事実とはずれていくリスクにつながります。
(薬害エイズがひとつの学びの例)
Following the Money Behind the Anti-Vaccination Movement
検査やサプリや○○療法を売るための人もいますが、販売はわかりやすい事例です。勧誘も熱心です。
(ホームページにはたくさんの商品広告が並んでいます)
これ以外にも活動団体を作り報道を利用し、政治活動につなげたり研究費をもらいやすくするということもあります。
見ている情報や人・団体の本旨を把握することは時に簡単ではありません。
複数ある情報源を見比べたり、その主張の一貫性、変化、根拠などをみていくしかありません。
そもそも論として、めちゃめちゃ効果がある安全なものがあったら、製薬会社は巨額の予算を投じて完成できるわからない医薬品の開発にお金を投じたりせずに、すでにある技術や権利を買い上げていますし、医師もとっくにつかっているわけです。
よくわからない○○療法は、何かを否定しないとなりたたないので、たいてい○○が悪いという話とセットです。
予防接種がよく利用されるのは、分母の大きさです。多くの人が接種していますので、その原因はワクチンですよきっと!といわれたときにフィットしてしまう人たちが一定数います(他にも共通するような因子はありますがそこにはあえてふれない)。
あやしいセラピーの手法はたいてい似ています。
(以前、ホメオパシーの本丸のところにでかけたときも、頭痛や肩こりはワクチンや前世でしょう,的なお話でした)
逆に、代替医療のところでも、西洋医学否定を利用せず、生理学や解剖学、薬理学等をベースに、多忙な病院では十分な時間や関係を持って関われないことに取り組み、患者さんの生活を整え苦痛の緩和を成功させています。
必要としているものが違うわけです。
『代替医療の光と闇ー魔法を信じるかい?』の「13章 エピローグ アルベルト・シュバイツァーと呪術医ーある寓話」がたいへん示唆的です。
科学の世界では、何かおかしいのでは?リスクが発生しているのでは?ということについてのアラームが行える仕組みがあり、開発の時点でもプロセスや公表された内容について相互の評価が行われます(評価されたくない人は発表しないでしょうね。。。)そういったopenな場にさらされ、モニタリングをされ、数年間維持されているものと、いちゃもんレベルの差は大きいです。
その他注意することとして、何かを異様に攻撃していたり、極端すぎる話がアヤシいのはもちろんですが、もう一つアヤシいと判断する根拠として、自分たちから離れて行く人、存在を否定することになりかねない場合は、その人たちの存在を隠したり攻撃したりする点があります。
「そもそも何をしたいのだろう?」そう感じたら、気づいたら少し距離をおいてみるのもいいのではないかとおもいます。
国レベルでも自由を前提としつつ、社会の一員としての個人にも協力を強く要請しています。
オーストラリアは、予防接種の勧奨に従わない保護者の経済的な優遇をはずす政策を1月から実施予定。ワクチンで予防できる感染症がアウトブレイクすることでその対応のためにしなくてはならない保健/医療の対応にも大きな予算が必要になっていますので。
No Jab, No Payですが、反対グループはNo pay, No Wayといっています。接種しない自由とひきかえに、子育て上の経済的優遇を失うだけで、自由が奪われているわけではありませんので、支持はいまいちのようです。
百日咳で新生児が死亡とか、持ち込まれた麻疹に地域の人が何度も怯える状況の中、2015年の風は感染予防側にふいているといったところです。
Togetter Facebookは消えたらしいですが
「no moreワクチン」FBウォールだけでなくコメント欄も恐ろしい
2014年11月
反ワクチンという“信仰”
2015年9月
反ワクチン運動を離れるまでの私の旅路:ある小児科看護師の物語
2015年9月
反ワクチンからワクチン支持へ
2015年9月
反ワクチン運動をやめたわけ
2015年4月
本当のところ、ワクチンは危険なのか? -
2015年2月
アメリカの「はしか」大流行の一因となった「反ワクチン」派を論破する
2015年9月
【常識と非常識の座標】vol.43 反ワクチン主義者に知っておいてほしいことがある
2013年11月
反ワクチン運動という極めて悪質なデマの流布と戦おう
2014年7月
反ワクチン運動の危険な展開
2015年11月
IDENTIFYING WHO IS ANTI-VACCINE
2015年4月
How To Talk To Anti-Vaccine Advocates Without Your Head Exploding
Togetter
「怒れる科学者が反ワクチンのバカなカキコミに怒涛のレス」を訳してみた
参考情報リスト
反ワクチン セレブリスト
The Anti-Vaccination Movement
「断固反対、他の人のアクセスや選択も認めない!」という人もいれば、「自分は選択しないが他の人のことは知らない」という人もいます。
反対まではしていないけれど「疑問」「懐疑」の人もいるし、感染症や合併症の方が怖いのはわかっているのでしているけど「躊躇」がある、という人もいます。
判断の根拠は情報源や自分や半径2メートルくらいのところで知る体験談だったり、専門家向けのデーターベースや論文にアクセスするような人もいます。
見ている情報とその情報探しの目的もこれまた多様で、例えばワクチンの安全性や有効性はよいとしても、大勢の人に接種することは「むだじゃないか?」「費用対効果がよくないのでは」ということでの反対や批判もあります。これはとても重要なことで、各国共にそう簡単には採用しない仕組みがあります。
現在は男子にもHPVワクチンを公費で接種できる唯一の国がオーストラリアで、開発した研究者もオーストラリアの大学の先生なわけですが、公費枠で採用するのかには時間がかかり、さらに男性に接種を拡大する際には納入価格をメーカーに大幅ディスカウントさせています。
また、ワクチン接種世代の女性が子宮頸がんスクリーニングの健診間隔を開けたりと全体のコストのバランスをとりつつ「がんの発見」ではなく「がんを予防する」ことにシフトさせる努力があります。
有効性や安全性を検証し、政策として国民全体の健康を支えるということが信頼にもつながっています。
ワクチンだけ、健診だけ拡大、、、だと背景にメーカーの思惑があるんじゃないのと言われるようなことがおきかねません(起きている国がありますね・・・)。
「利用する」人たちがいます。テーマはいろいろあるのですが、ここではワクチン問題をビジネスに利用する人たちがいる話を紹介します。
「反ワクチン」ビジネスとしましょう。
医薬品に利権があるという指摘はそのとおりだとおもいます。それと同じように「反ワクチン」利権もあるわけです。
メディアの場合は、反○○とは別に被害者ビジネス的な側面があります。
被害はより大きく伝えようとし、回復した/よくなる情報はフォローしてないような場合。
悲惨でないと困る、被害者が減ると困るカテゴリーのひとつです。
先にストーリー建てがあり、取材先が偏り、事実とはずれていくリスクにつながります。
(薬害エイズがひとつの学びの例)
Following the Money Behind the Anti-Vaccination Movement
検査やサプリや○○療法を売るための人もいますが、販売はわかりやすい事例です。勧誘も熱心です。
(ホームページにはたくさんの商品広告が並んでいます)
これ以外にも活動団体を作り報道を利用し、政治活動につなげたり研究費をもらいやすくするということもあります。
見ている情報や人・団体の本旨を把握することは時に簡単ではありません。
複数ある情報源を見比べたり、その主張の一貫性、変化、根拠などをみていくしかありません。
そもそも論として、めちゃめちゃ効果がある安全なものがあったら、製薬会社は巨額の予算を投じて完成できるわからない医薬品の開発にお金を投じたりせずに、すでにある技術や権利を買い上げていますし、医師もとっくにつかっているわけです。
よくわからない○○療法は、何かを否定しないとなりたたないので、たいてい○○が悪いという話とセットです。
予防接種がよく利用されるのは、分母の大きさです。多くの人が接種していますので、その原因はワクチンですよきっと!といわれたときにフィットしてしまう人たちが一定数います(他にも共通するような因子はありますがそこにはあえてふれない)。
あやしいセラピーの手法はたいてい似ています。
(以前、ホメオパシーの本丸のところにでかけたときも、頭痛や肩こりはワクチンや前世でしょう,的なお話でした)
逆に、代替医療のところでも、西洋医学否定を利用せず、生理学や解剖学、薬理学等をベースに、多忙な病院では十分な時間や関係を持って関われないことに取り組み、患者さんの生活を整え苦痛の緩和を成功させています。
必要としているものが違うわけです。
『代替医療の光と闇ー魔法を信じるかい?』の「13章 エピローグ アルベルト・シュバイツァーと呪術医ーある寓話」がたいへん示唆的です。
科学の世界では、何かおかしいのでは?リスクが発生しているのでは?ということについてのアラームが行える仕組みがあり、開発の時点でもプロセスや公表された内容について相互の評価が行われます(評価されたくない人は発表しないでしょうね。。。)そういったopenな場にさらされ、モニタリングをされ、数年間維持されているものと、いちゃもんレベルの差は大きいです。
その他注意することとして、何かを異様に攻撃していたり、極端すぎる話がアヤシいのはもちろんですが、もう一つアヤシいと判断する根拠として、自分たちから離れて行く人、存在を否定することになりかねない場合は、その人たちの存在を隠したり攻撃したりする点があります。
「そもそも何をしたいのだろう?」そう感じたら、気づいたら少し距離をおいてみるのもいいのではないかとおもいます。
国レベルでも自由を前提としつつ、社会の一員としての個人にも協力を強く要請しています。
オーストラリアは、予防接種の勧奨に従わない保護者の経済的な優遇をはずす政策を1月から実施予定。ワクチンで予防できる感染症がアウトブレイクすることでその対応のためにしなくてはならない保健/医療の対応にも大きな予算が必要になっていますので。
No Jab, No Payですが、反対グループはNo pay, No Wayといっています。接種しない自由とひきかえに、子育て上の経済的優遇を失うだけで、自由が奪われているわけではありませんので、支持はいまいちのようです。
百日咳で新生児が死亡とか、持ち込まれた麻疹に地域の人が何度も怯える状況の中、2015年の風は感染予防側にふいているといったところです。
Togetter Facebookは消えたらしいですが
「no moreワクチン」FBウォールだけでなくコメント欄も恐ろしい
2014年11月
反ワクチンという“信仰”
2015年9月
反ワクチン運動を離れるまでの私の旅路:ある小児科看護師の物語
2015年9月
反ワクチンからワクチン支持へ
2015年9月
反ワクチン運動をやめたわけ
2015年4月
本当のところ、ワクチンは危険なのか? -
2015年2月
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2015年9月
【常識と非常識の座標】vol.43 反ワクチン主義者に知っておいてほしいことがある
2013年11月
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2014年7月
反ワクチン運動の危険な展開
2015年11月
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2015年4月
How To Talk To Anti-Vaccine Advocates Without Your Head Exploding
Togetter
「怒れる科学者が反ワクチンのバカなカキコミに怒涛のレス」を訳してみた
参考情報リスト
反ワクチン セレブリスト
The Anti-Vaccination Movement