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Channel: 感染症診療の原則
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ICAAC2014 Online 重症感染症診療の進歩(Session 206) #5

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本日もICAAC Online2014 (Session206)
Progress in the Management of Severe Infections

「黄色ブドウ球菌感染症におけるリンコサマイドの位置づけについて」続きます。
「Do lincosamides have mortality benefit in severe Staphylococcal infections ?」
演者:Royal Darwin Hospital, AustraliaのShradha Subedi先生。

#:Co-SAB(市中感染症の黄色ブドウ球菌菌血症)の検討
・演者の病院で6年間のCo-SABの検討(後ろ向き)
・検討事項:Demographics、感染巣、治療内容・期間、医療の関与、30日と90日後の死亡率。これをリンコサマイド使用群と非使用群(対照)で検討
・全員で92症例。医療関与ありが2/3。MRSAが2/3。
・感染巣:1/4が肺、18%がIE、SSIが15%。
・死亡率:30日が18%、90日が21%。

#:典型的臨床例
・33歳女性で39度の発熱、インフルエンザ様症状+左関節痛
・Temp:39, HR:110, BP:85/40, O2Sat:92% on 6L Oxygen
・白血球数:7100、CRP:250
・多発性肺炎+左化膿性関節炎+大腿骨末端の膿瘍
・ICU入室・人工呼吸器
・入室時の抗菌薬:Flucloxacillin+VCM
・血培でCA-MRSAでVCMとCLNDに感受性なのでCLND+VCMとした。
・入院一月で退院となる。

#:PVL陽性黄色ブドウ球菌を示唆する臨床像
・若い
・インフルエンザ様症状
・多発性肺炎
・骨膿瘍、化膿性関節炎
・正常白血球数+高いCRP

このような臨床像から主治医はPVLを疑い、CLNDを加えたのでした。

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