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Channel: 感染症診療の原則
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CDC2015年版のSTDガイドライン 第5報

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CDC2015年版のSTDガイドライン 第5報

本日はHCVについて・・

1)一般的な事:
・米国では血液経由Bloodborneの感染症では最多の座にいるHCV。現在270万人の感染者が居る・・と推計されている。
・性行為による感染率は低い(例外:薬物の使用、HIVの共感染、特にHigh Risk、TraumaticなSexual practiceなどを行うMSM)

Tohme RA, Holmberg SD. Is sexual contact a major mode of hepatitis C virus transmission? Hepatology 2010;52:1497–505.

Terrault NA, Dodge JL, Murphy EL, et al. Sexual transmission of hepatitis C virus among monogamous heterosexual couples: the HCV partners study. Hepatology 2013;57:881–9.

2)自然経過など
・感染の多くは症状が軽い、または無症状。しかし感染後1-3週間で血中にウイルスを認める。抗体陽転は8-9週後。半年までには感染者の97%に抗体を認める。
・感染者の7-8割が慢性化する。
・きちんとした環境で行われる刺青はHCVのリスクではない。

3)診断:
・FDAが認可した抗体検査を行い抗体陽性ならばウイルス量(HCV-RNA)を測定する。
・もしCD4が低い場合には、CD4が増加してから再検する。
・HCV感染者が妊娠しても問題は無く、授乳も可能である。
・HBV、HAVに対するワクチンも重要。
・経皮的に、経粘膜的に曝露した医療従事者はHCVの抗体検査を行う。

4)妊婦:
・帝王切開が母子感染予防に有用とエビデンスがない。
・母乳でHCVは感染しない。(但し乳首が出血していたり傷があれば控えても良い)

5)HIV感染症:
・HIV感染有り=HCVの抗体検査を。とくにMSMの場合には陰性でも、その後定期的(最低でも年に1度)に行う。
・極めて一部のHIV感染者はHCV感染が存在しても抗体が陽性ではない。説明のできない肝機能異常にはPCRを行う。

次回はMycoplasma genitaliumについて

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