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Channel: 感染症診療の原則
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変わるC型肝炎の治療とその周辺

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HIV感染症の新規発生抑制にも効果をもたらしている抗ウイルス薬の普及。
高額な治療薬をどのように途上国で使えるようにするのか、の検討の中で、ジェネリック薬を普及させるという方法がありました。

組み合わせは先進国と全く同じ選択肢ではありませんでしたが、一月15万円~かかる治療が月あたり5千円でできるというのは魅力的、妥当なラインだったと思います。
(インドのシプラ社から入手して、保険のない患者さんも飲むことができました)


C型肝炎の治療も大きく変わり、「治せる時代」「治る時代」になっていますが、その治療費が高額であることから、先行して販売されている米国などでも保険会社や刑務所で困っている…というニュースがありました。

日本でも5月20日から2型のHCVの治療薬としてソルバディが保険で使用できるようになりました。
1錠あたりの値段がニュースやネットでも「高い」「保険組合はだいじょうぶなのか」ということが話題になっていました。今後承認されるであろう1型のハーボニー(Harvoni)は海外ではさらに高い値段がついています。
4型5型にも有効との発表も。


C型肝炎やB型肝炎はその治療を必要とする人の分母がHIVとは比べ物にならないほどに大きいことが課題です。
感染に気づいていない人も多いです。
日本でも米国でも、注意喚起(検査の勧め)がおこなわれています。

もっとも、なおせるなら早く治して、後々かかるであろう肝硬変や肝臓がんの医療費、その人が健康なら維持される生産活動を考えればコストは見合うのだ、という説明もあります。移植では300,000ドル以上手術にかかるといわれています。

薬の値段は、日本の薬価は1錠6万1799円 とのことです。計算式を知らないのですが。

カナダでも保険でカバーできるようになったそうです。


ギリアド社の値段は、12週間で84000ドル。
インドをはじめとする途上国では900ドルでライセンス化。約10分の1です。

Gilead Sciences gathering details of buyers of hepatitis-C drug to prevent its diversion


合剤のHarvoniは96000ドル。

インドの7つのメーカーにギリアド社からこのライセンスが与えられたとのことです。

Mylan Inc Will Distribute Gilead Sciences, Inc. Sovaldi And Harvoni In India


ギリアド社の今後を見越した市場戦略のひとつでしょうか。

背後にあるものを注視しているひとたちもいます。
The dirty motivation behind Gilead’s hepatitis C agreement

この高額な2剤はWHOのEssential Medicinesのリストに加えられました。


こんな高い薬を・・・と思うなら、予防も大事なのですが、都市部では急性C型肝炎がSTIとして広がっていたりもします。

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