#1:サリドマイド
編集長、昔、離島のLeprosy Sanatoriumに勤務していました。
Mycobacterial diseaseですから、Leprosyも個体の炎症反応で虹彩炎など多くの組織障害を起こします。
そこで活躍したのがサリドマイドでした。
単に虹彩炎などに有効のみならず、ふと気づくと末期癌のCachexia(カヘキシア)悪液質にも働き、患者さんの体重減少が和らぐ・・などという経験をしていたものです。後に科学が進み抗TNF効果なども発見されました。
米国でHIV感染症診療を行う時にもサリドマイドが活躍したのでした・・
サリドマイドというと薬害を想起しやすいですが、適応を考えれば有用だったのです・・
#2:クロロキン
クロロキンと言えばマラリアの薬。そしてアレルギー膠原病の先生がたにはDisease modifying agentとして認知されてきたお薬でしたね・・たしか・・(RAとかSLEとか・・)
そこに新たに登場した役割が慢性Q熱(Coxiella burnetii)≒心内膜炎の治療でした。以前からDoxycyclineだけでは再発率が半分近くあり、RifやFQなどが第二の薬剤として用いられていたですが、hydroxychloroquineの使用(18ヶ月)で再発率が5%程度まで抑えられる・・という話しであります。
Raoult D, Houpikian Pら
Treatment of Q fever endocarditis: comparison of 2 regimens containing doxycycline and ofloxacin or hydroxychloroquine.
Arch Intern Med 1999;159:167-173.
PMID: 9927100
Anderson A, Bijlmer H, Fournier PE, et al. Diagnosis and management of Q fever - United States 2013: recommendations from CDC and the Q fever working group. MMWR May 29, 2013;62:1-30
新しい薬も良いけれど、古い薬も捨てがたい・・