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Channel: 感染症診療の原則
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過剰使用とその周辺

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#1:感染症治療薬の過剰使用

抗菌薬を始めとする感染症治療薬の過剰使用を戒める啓発活動、これが、編集長の帰国後23年間を埋めた・・といっても過言ではありません。 そして、その啓発活動は一部には若手感染症専門医の台頭・・というPositiveな現象を生み出しました。しかし・・他方で「風邪に抗菌薬」の風潮は大勢としては変わらない・・という厳しい現実が・・

世界のタミフル、7割は日本が使用。カルバペネムも同様・・?

タイトル写真をご覧下さい。これが単なる、「風邪+咳」に対する処方なのですから・・喘息の気配があるこのPtには更に既に化石化しているテオフィ◎◎などまで・・!!


#2:医用画像の過剰使用

これも日本独特の風景を示しています。画像を読み解く専門家は非常に少ないが、世界のCTの半分は日本にある。

信頼できる筋の情報を得たので下記に記します。
京府医大誌 
120(12),943-51, 2011



高額医療機器の台数と放射線科医数の国際比較を行った論文からの抜粋
我が国におけるCTやMRI

の台数が際立って多いことが判ります(横軸が医療機器の数)
米国は我が国に次いで保有台数が多いものの日本と比べると半分以下です

一方
これらの医療機器を運用する放射線科医の数は日本で世界水準の最下層にあります(縦軸が放射線科医の数)
このような大きなミスマッチは他に例がなく
我が国独特の現象のようです



エックス線を用いた検査に伴う発癌リスクの関係
エックス線を用いた検査に伴う発癌リスクの関係を国別に示した図
検査数の多い日本では
これと比例して癌の発生リスクも高いことが示されています
検査数の世界第
位がドイツ
そして
番がアメリカとなっており
医療機器メーカーが存在する国が上位を占めます
本論文は当時
大きな話題となり様々な反響を呼びました
数多いレターのやりとりが誌上でなされています


このような問題の整理が出来ないで「医療費の高騰」をDiscussionしてもね・・Sigh

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