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Channel: 感染症診療の原則
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目の病変 からの梅毒診断

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(以前も書きましたが)
梅毒は「青い梅を食べると毒があって吐いちゃうから危ないんですよね」という認知の人たちに、何から説明すればいいのか?なのでありますが、義務教育ではエイズは必ず習っています(STDとしてかわかりませんが)。クラミジアくらいまでは聞いたことがある人がいます。

しかし、梅毒についてはわかりません。
世界史でコロンブスのところで先生が小ネタをかましているかもしれませんが・・・。

学校では習っていないけど、江戸時代にタイムスリップする医療ドラマで見たマンガで読んだ黒澤映画で観たとか、知っている人もいます。


いきなり、舐めるとか入れるとか、このブログの品位を保ちながら書き進めるのは難しいため、性感染症という概念から一度離れて、プライマリのところで鑑別にあがらないといかんよね、という話を紹介。

The British Journal of Cardiologyに掲載されていた51歳女性のケース。

The great imposter, the great imitator(April 2011 Volume 18, Issue 1 Br J Cardiol 2011;18:94−6)

目の病変の写真がたくさん・・・
How to Recognize Ocular Syphilis

そういえば、米国では3月に「梅毒の目の病変が増えている」そして医療者にアラート、というニュースもいくつかみかけました。

3月30日 Ocular syphilis spreading among gay men on US Pacific coast

4月16日  CDC:Clinical Advisory: Ocular Syphilis in the United States

梅毒の情報じたいは目新しくないと思いますが、ふだんヘソ下/お尻/口の中あたりで診断をしている、さらに目もチェック!と伝えるのが目的。

東京都はじめ都市部で増えていると聞きますが、国内endemicなだけでなく、最近は毎月、訪日外国人数が最高記録を更新するなかで、海外のトレポネーマなどももちこまれて広がるのかもしれないと、性風俗で働く女性の急性B型肝炎&C型肝炎の相談が立て続けに来たなかで考えています。
(CSWはHBVワクチンの接種対象だと思いますが、そんな職業オリエンテーションはないのだそうです。自分で気づいて自費でやるしかないですね)


最近はタイピングなどもおこなわれています。最新技術はすごいですね。

Comparison of CDC and sequence-based molecular typing of syphilis treponemes: tpr and arp loci are variable in multiple samples from the same patient
Evaluation of Macrolide Resistance and Enhanced Molecular Typing of Treponema pallidum in Patients with Syphilis in Taiwan: a Prospective Multicenter Study

治療は昔からのものがまだ有効です。よかった。

ペニシリンより前に使われていた治療薬の開発には日本人が関わっています。

医薬品 化学療法剤 第1号 梅毒の特効薬 サルバルサン

金沢大学に残る1914年の資料『「サルバルサン」ト眼梅毒二就テ」なども新しい話題と古い話題がクロスしていて興味深いです。

岩田先生が本にされています。「戦記」です。

開発した方も、原稿を仕上げた方も熱く戦いました。

流行している地域では、感染したり不安になって困っている人たちがいます。
予防のためにも戦わねば、ですね。


岩田先生のブログ記事

本の写真(amazonより)
サルバルサン戦記 秦佐八郎 世界初の抗生物質を作った男 (光文社新書)光文社

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