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Channel: 感染症診療の原則
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ICAAC2014 Hepatitis 2014: An Update #4

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本日も「肝炎」の話題続けます。

演者はコロラド大学のGregory Everson先生です。

講演の題名は
「肝臓移植候補の治療に関する事」

#:今回は肝移植症例にどのような抗HCV療法を、どのタイミングで行うか・・
・SVRを得れば・・・
1)肝硬変になる前の症例では肝硬変へ移行するのを押さえられる。
2)代償期にある肝硬変では非代償期への移行を押さえられる。
3)非代償期ならば、更に肝癌への移行、死亡を押さえられる。
・繊維化が進むと移植しても本当に死亡率を下げられない。
・結論を言うと移植の前も後も抗HCV療法を行うのが良いだろう・・という結論。
・具体的な抗HCV療法の中にDAAのPositionが確立していくだろう・・という話し。

次の演者はTronto Western HospitalのJordan Feld先生。

講演の題名は
「HCV治療に対する自然免疫Innate Immunityの影響」

この講演の内容はかなり免疫学の知識が無いと理解できないので編集長には厳しかったです。
ただ概要を把握できた範囲では以下のような事が言われていたようです・・

#:HCVは自然免疫から逃げる仕組みを複数もっている。(HCVが慢性化しやすい理由)
1)IFNの合成を抑制する→ウイルス蛋白の増加
2)IFNを作らせる遺伝子ISGの誘導Inductionが↓
3)ISGの機能を↓

#:結論
・自然免疫Innate Immunityは自然治癒やIFN治療に対する反応性に重要
・HCVが排除されず慢性化している症例ではISGが活性化していてIFNに対する受容体を↓。これがIFN治療の効果を下げる。
・IL28B Genotypeを持つ症例の治療抵抗性の問題もIFNラムダ4関連のメカニズムで間接的に説明できる。

#:質疑応答

これ超面白い。

・肝生検について:
Accuracyの良い非侵襲性の検査で生検が不要になっている。更にDAAは繊維化、肝硬変の程度に関わらず有効。

繊維化の問題は残る
・SVRを得ても繊維化は繊維化。将来の肝癌の発症は皆無ではない。経過観察は重要。

・急性HCVは治療するのか?するならIFN? DAA?
・・回答:急性期にIFN使用するならしんどい治療を24週で大変。治癒率高いが・・。それよりも非常に有効なDAAがあるので暫く様子見て慢性感染症が確認されたらDAAで治療。そうすれば、辛いIFN療法を避けられる。

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