愛知で広がる麻疹

「1人でたらすぐ対応」が麻疹の迅速対応の約束です。★医師は疑ったら保健所の担当者に電話しましょう。

感染力がとても強いので、1人診断された時点で2次感染例の発生はもう防げません。
緊急曝露対応としてワクチンとグロブリンがあります。グロブリンは血液製剤ですし、痛いですし、とてもたいへん。

その時点でできるのは3次感染予防。
「未接種」「接種したかどうか不明」、基礎疾患や治療で免疫に問題がある人たちをどうレスキューするかという話になります。

学校や保育園が、入学入園児にそのこどもの罹患歴や接種歴を把握していないと、対策が遅れて被害が広がります。


愛知県の麻疹についてIASRに速報がありました。

＜速報＞渡航歴の無い小児および家族内感染者からのD8型麻疹ウイルス検出―愛知県　IASR　2012年2月20日

2012年に愛知県で把握された遺伝子型D8の麻疹7例。

入ってすでに7例も麻疹が報告されている愛知県。
7例とも渡航歴なし。ということは地域での感染です。

＜医療圏A>
患者１：11歳男児。2011年12月30日発熱。ワクチン接種歴無し。　患者2と同じ学校。

患者2：12歳女児。2012年1月2日発熱。ワクチン接種歴無し。　　 患者1と同じ学校。

患者3：患者2の兄14歳。1月10日発熱。家族内での2次感染例。接種歴不明。

患者４：4歳女児。1月20日発熱・発疹。ワクチン接種は1回のみ。患者1−3の近くに住んでいる。

＜医療圏B＞
患者5：1歳男児。1月29日に発熱。接種歴無し。父（1月20日発熱、麻疹IgM陽性）からの2次感染例。

患者6：1歳男児。1月30日に発熱。接種歴無し。

患者７：6歳女児。2月3日に発熱。接種歴不明。


去年の1月、これも愛知県。

＜速報＞フィリピンからのD9型輸入麻疹および関連症例の発生―愛知県IASR　2011年1月

患者１：1歳男児。11月9日発熱。ワクチン接種歴なし。　フィリピンから帰国。

患者2：10歳女児。11月26日発熱。接種歴は不明。　フィリピンから帰国。

患者3：患者2の弟、6歳。12月４日に発熱。家族内での2次感染例。接種歴は不明。

患者４：患者2の同級生、11歳男児。12月6日に発熱。接種歴なし。

患者5〜8：患者3、4と同じ小学校に通学。12月15日〜20日にかけて発症。4名中2名は接種歴1回、他2名は接種歴なし。

患者9：27歳男性。患者4と医療機関外来で接触の機会あり。12月23日発症。接種歴は不明