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Channel: 感染症診療の原則
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感染症対策のフェーズ、潮目とその周辺

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エボラ関連の話題で…
日本の外務大臣が20数人…といっちゃったらしいですが…

それは個人単位でいけそうなリストのはなしであり、WHOの緊急決議後に各国に求められている、予算・指揮系統・ロジをたずさえて特定ミッションを果たすために送るナショナルフラッグを、かかげたチームの話とずれてるんじゃないか?…という話が昨日ありました。

Liberia’s Ebola Victims Dying at Home Amid Shortage of Clinics

圧倒的に足りない医療設備。
そこにパラパラ数名チームではどうにもならないので、援助も違うフェーズに入ったわけです。

"The 3,000-strong American mission
will not treat Ebola patients, but will build as many as 17 treatment centers, with a total of 1,700 beds, and try to train 500 health workers a week."

現地の医療者やボランティアの参加、住民の理解のための地道な支援活動となると言葉や文化の問題も大きいですね。

支援する人が増え、医療者以外にも広がると本国搬送シナリオや、帰国後に体調不良となり、各地のERや一類感染症医療機関がうたがい症例対応をするシナリオも現実味をおびてきます。

2日前にECDCも飛行機での本国搬送のガイダンスを出しました。

Medical Evacuation by air to EU

各国のニュースにあるように、現地で仕事をしたくらいでは、「検査結果は陰性(感染していない)」になのですが、

その検査をどこでもできるわけではない中、熱帯熱マラリアや腸チフスを否定しなさいという現在のアルゴリズムを前に、各病院が「うたがい」の段階でどう検査をするのか、夜間や休日の体制は?ということを含めて見直しをしています。
それは、日常、どのように安全管理が行われるべきか?ということとセットの話なのですが。

騒動の中で何を得るのか。
病院や地域のリーダーを信じて(この際)ともに見直しをするのがよいのだと思います。

ヒトはずっと緊張することができないので、ある時期から、間延びしますし関心も落ちます(落とさないと耐えられない)。
気が緩む前に優先的にやるべきことをやっておきましょう(それは組織や地域で異なるのでしょうが)。

今回のエボラ流行が終わっても、またどこかでおきる。違う病原体に対峙しなくてはいけない事案がおこります。

エボラだけ、特定の国だけ、特定の病院だけ、の話ではないということですね。

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