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Channel: 感染症診療の原則
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アウトブレイク地に出かける準備

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退避する人もいれば出かける人もいます。しかも最前線の現場に向けて。

ECDCのEPIETはプログラム修了生、現在のフェローと指導者が現地入りしており、米国EISプログラムからも派遣が行われています。

日本にも国立感染症研究所にepidemiologistを育てるFETP-Jもあります。

西アフリカのエボラ流行地に派遣される時持参するグッズが紹介されていました。
8月12日 TIME
What You Bring When You’re Going Into an Ebola Outbreak

"The EIS is a two-year program that trains doctors and other health professionals in skills they need to investigate infectious disease outbreaks and epidemics. The program began in 1951, in response to biological warfare threats during the Korean War. It’s a highly selective program, with 50% of those selected being doctors, and the rest veterinarians, nurses and pharmacists. Four of the last seven CDC directors were EIS officers."

日本では堺市でのO157アウトブレイクがきっかけとなりFETPができました。

具先生によるFETPの解説


厚生労働審議会の議事録より。

"国立感染症研究所の渡邉です。平成22年度の国立感染症研究所機関評価に係る対処方針について、説明させていただきます。資料3です。平成23年2月15日に、11名の委員で構成される評価委員会により、感染研の機関評価が行われました。評価委員の名簿は資料の22頁です。ここにおられます金澤先生に評価委員長をお願いしております。評価事項は、国立感染症研究所研究開発評価マニュアルに基づき、11の課題について行われました。

平成23年8月31日付で金澤評価委員長からいただいた「平成22年度国立感染症研究所機関評価報告書」に記載されている感染研の業務活動に関しての意見及びそれに対する感染研としての対処方針について、これから概要を報告させていただきます。

 1番として、研究、開発、検定、検査及び調査等の状況と、成果に関しての委員会の意見として、「研究所の活動自体はその研究条件や研究環境の厳しさを考慮に入れると、非常によくやっている。研究所の業務として、米国のNIH、CDC、FDAの3つの役割を行っているが、米国のそれと比べ、業務に係わる人員数及び予算額においては雲泥の差がある。人員の経費が削減される中、研究所の業務や研究の範囲は拡大し続けており、規模に合った機能の特化及び他の機関、他の省庁との連携を考慮した予算措置・人員措置の在り方を考える時期である」という意見をいただいております。"

 
"…新しい制度の導入を行い、実際の試験項目の削減を図り、業務の効率化を行ってきております。その上で、必要な人員、予算の年度要求を行ってきており、平成24年度は6名の増員を得ていますが、実質的には6名の削減になっております。

新興感染症の脅威から国民の健康を守るために必要な機能維持のためには、感染研の予算、定員削減についての十分な配慮をしていただくことを、切に感染研としては願っているところです。"



" その対処方針として、省横断的な研究成果発表会を行うことにより、特に疫学部門とラボ部門の連携強化を目指してきております。ラボ部門の60年の歴史に比べて、疫学部門はできてから14年です。そういう意味では非常にまだ浅いということで、今後さらに強化すべき事項という形で認識しております。
 また、国民に対して、感染研で疫学的対応を行っていることがわかるように、今後は感染症情報センターの名称を、できれば「感染症情報・疫学センター」なるものに変えることによって、実際に疫学研究をやっていることをさらに一層明らかにしていきたいと思っています。また、今後高齢化に伴う院内感染の増加など、特に臨床医学現場での連携が重要になっておりまして、感染研の隣に位置する国立国際医療研究センターとの連携を強化すること、及び研究テーマの選定においては、臨床現場との連携強化を図っていきたいと考えております。"



" 4番として、研究上の遂行上の基盤組織、研究補助、施設設備、情報基盤及び知的財産権取得支援等の体制に関しての意見です。「すべての感染症に対応するには研究者が圧倒的に足りない。日本の感染症対策の中枢機関であるにもかかわらず、毎年定員合理化(削減)がかかっていることは問題であり、研究所の国民に対する使命の質と大きさに鑑み、定員合理化計画からの除外対象とするべきである。施設整備に関しては、研究所にBSL4施設が絶対に必要である」との意見をいただいております。
 これに対して感染研の対処方針です。感染研としては、業務の優先事項の選定等による人員、予算の効率化に向けての努力を図っていく予定ですが、厚生労働省におきましては、感染研の予算・定員削減について十分に配慮していただくよう、切に希望しております。BSL4の稼働の必要性は十分に認識しておりまして、安全面等に関する地域住民への説明、広報活動は、毎年根気よく続けてきております。また、必要時にはいつでも稼働できるような準備を整えております。
 5番として、疫学・生物統計学の専門家が関与する組織の支援体制に関してです。これに対するご意見として、「疫学や生物統計学分野については、組織的には整えられているものの、この分野の専門家が少なく、研究所に唯一足りない基盤は、この疫学に関する強力なグループと、その機動的な活動と言える。本来は米国CDCのように、それぞれの部門に疫学の専門家が必要であり、平常時のサーベイランスはもちろん重要であるが、緊急時、すなわちアウトブレイク発生時に、特にパンデミック時の情報収集、解析提供の強化は必要であり、健康危機発生時の積極的疫学調査の体制作りも含め重要な課題と言える」との意見をいただいております。
 対処方針として、大学等の公衆衛生学部門の衰退により、感染研になかなかよい人材が集まりにくいような状況ですが、海外で疫学研究を行ってきている人材の登用を図っているところです。国内での種々の健康危機発生事態に対応していくためにも、疫学者を育成していくことは感染研の一つの使命であり、感染研としては、現在FETP(実地疫学者)養成コースを設置し、これには毎年5名から7名の入所者がおります。臨床経験を積んでから感染症の疫学を習得したいという医療従事者を育成すべく努力しているところです。我が国にFETPコースを卒業した疫学者ネットワークを構築し、彼らに平常時及び危機対応時に現場での疫学解析等の一翼を担ってもらいたいと考えております。厚生労働省に対しても、このような組織を維持する予算・人員等の確保の要求を行ってきておりますが、非常に厳しい状況にあります。感染研としても、さらに感染症情報センターの機能の強化を図っていきたいと思いますので、ご支援のほど、よろしくお願いしたいと思っています。"

2012年5月16日 第71回厚生科学審議会科学技術部会 議事録

すぐに専門家派遣をするためには、常に余裕のある人員体制や初ような経費支払いの権限なども重要ですね。

保健所や自治体、専門家がVPDである麻疹や風疹で対応におわれてる場合ではない…と、まさかのことにも対応せよとなったら痛感しますね…。


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