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Channel: 感染症診療の原則
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感染症 と 誤報 とその周辺

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感染症は迅速対応が基本でありますが、迅速性とひきかえになるのが正確さや確認のための時間/プロセスです。

表記の際、読む際にconfirmed なのかsuspectedなのかの確認が重要になります。

慣れてくると誰が言っているのか、ソース(媒体)あるいは専門ジャーナリストなのか、噂なのかということも初期判断に役立ちます。

迅速性のメリットとしては、(後で否定されるとしても)曝露を減らしたり救命の準備がしやすいというようなことがあります。

MERSについて、米国国内でヒトヒトでうつったの?とニュースになった事例は、繰り返しの検査の中で感染が否定されました。

否定されたあとに誤報を載せる媒体もあったりしますが。
↑こちらにはメールで修正すべき点とソースを伝えていますが、2014年6月22日現在修正されていません。


また、バングラデシュで入院した男性が(アブダビに3時間いたからか)MERSかも?というニュースも流れました。
こちらも否定されています。

そして、スーダンでMERSアウトブレイク?というニュースもありましたが、デング熱でしたねと修正されています。



100%確実な検査もないですし、行動歴やもともとの疫学情報などとあわせて判断することが大切。

間違ってもすぐに修正されるのはよいことですが、場合に寄っては地域や集団で過剰な反応をされて混乱につながったりもしますので、情報の取り扱い、情報の鮮度(何年の話?とか)適宜修正する媒体かどうかのチェックも重要ですね。

また、熱がでる〜とか、ぶつぶつが〜とか、咳がでて〜とか、非特異的な症状の感染症は山のようにありますので、せめてワクチンで予防できるものは予防することにつとめたいとおもいます。

英語のアウトブレイクニュースをみていると、しょっちゅう「子どもたちの間で脳炎のアウトブレイクが」という話題があるのがインドですが、、、あまりに日常的なことのためかスルー感がただよいます。
数百人死ぬ規模です。

ポリオ排除活動でも最後までたいへんだった地域のひとつ、ウタプラデシュでのサーベイランス報告。
EID 2013 Acute Encephalitis Syndrome Surveillance, Kushinagar District, Uttar Pradesh, India, 2011–2012

小さな子供が急性脳炎でバタバタ死んで行くのは悲しい光景です。
日本脳炎ワクチンくらいルチンに提供してあげたいです。

2013年10月 India launches vaccine to prevent Japanese encephalitis


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