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Channel: 感染症診療の原則
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Cases in Travel and Tropical Medicine #3 慢性B型肝炎症例が黄疸に

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さてTropoicalシリーズ、第三弾でございます。

23歳ガーナ人男性。米国在住歴7年。

主訴:
11日間の発熱と黄疸、右側腹部痛、便秘、咳
(駒込のStaffだと、これで診断するかも・・)

病歴:
・最近、インドにキリスト教関係のMissionで3週間滞在。その間、マラリア予防のためにMalaroneを服用してました。
・しかしそれでも発熱に対してインドでは2施設で抗マラリア薬を投与されました。(内容は?)
・慢性B型肝炎の既往

身体所見:
・Temp:39.6度、HR:72、BP:112/60、O2Sat:98%
・HEENT:青白い顔、黄疸、リンパ節腫脹なし
・胸部・心臓・肺:異常なし、
・腹部:RUQにFullness、肝腫大あり、脾臓はOK
・神経:Non focal

Lab:
・Hb:9.6g、WBC:9.3、Plat:29万
・Creatinine:2.3、他の電解質:正常
・ALT:115、AST:97、ALP122、Bilirubin:5.3(Direct:3.8、Indirect:1.5)
・INR1.2、Albumin:3.8
・HIV:-ve, Anti-HCV:+ve, HCV-RNA:Undetectable,Anti-HAV IgG:+ve
・マラリアSmear:-ve

問題:何を投与? (これは完全に割れました)
・Enetecavir >>BのFlareではないので駄目
・IV Quinine >>Smear negative
・Peginterferon,Ribavirin, & Telaprevir >>HCVはClearすみ
・Metronidazole >>アメーバでない
・Azithromycin >> あたり ∵ Typhoidの穿孔

ここで追加情報(穿孔):
・胸部写真:


・病理所見:


Typhoidの穿孔について:
・リスク:Male sex、抗菌薬開始の遅れ、多剤耐性菌、黄疸+ve
・穿孔は発症後3週間くらいが典型
・典型的な腹膜炎症状無い時も・・
・死亡率高い

黄疸の仕組みは
・菌がKupffer cellなどに喰食されて「Typhoid Nodule」を作る。


・ASTの上昇はMild

治療薬は:
・耐性の問題多い(MDR:ABPC, Trim/Sulfa, Chloramphenicol)
・CTRX治療例では再発多い >> Azithromycinが推奨される。

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