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Channel: 感染症診療の原則
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似て非なるコリスチンとPolymyxin B

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亀田のIntensivist、林先生よりの情報です。(Clinical Infectious Diseases Advance Access published April 3, 2014)

編集長は、なんとなくPolymyxin B ≒ Colistin(コリスチン) Polymyxin Eというイメージを長らく持ってました。
But 編集長 Was Wrong.

結論から言うとPolymyxin Bとコリスチンでは、ずっとPolymyxin Bのほうが良いという情報です。(林先生はAustraliaの仲間から以前から言われていたらしい・・)

面倒なのでPolymyxin BをP、ColistinをCと略しますね・・

Pは静注すると、そのものが抗菌薬として働きます。Cは静注されるものはCではなくて、CのProdrugであるcolistin methanesulfonate (CMS)として静注されます。そして体内でCMS→Cとなり初めて抗菌活性を持つのですが、これが問題含み。

問題の例:
1)CMSがCに代わるのは、ゆっくり。(緑膿菌敗血症に急いでいるのに・・なんて感じ)しかもCMS→Cの変化は個人差大
2)CMS自身には抗菌活性無し
3)CMSは腎から排泄されるが、腎機能が良いと急速に排泄され抗菌活性のあるCになる前に尿にでる。(Cとして働くのは2割程度)
4)PもCもpDは濃度依存性。なのに腎機能の変化によりCMSの排泄率が変化するので投与量の調整が難しい。
5)Cは非常に活性にばらつきがあり、ブランド、ロット、バッチごとに異なる可能性が大

編集長の大予言:日本はPolymyxinの導入にあたってはコリスチンを選ぶであろう
(根拠:まあ何となく今までの歴史を振り返るとですが・・)

(写真:Polymyxin Bにさようなら・・を言うThomas)

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