ICAAC Online　Literature ReviewのSession

ICAACOnline、本日からLiterature ReviewのSessionです。

最初の演者はBrown大学医学部のAngela M Caliendo先生
お話は呼吸器関連ウイルスRespiratoryVirusについて

＃１：新しい呼吸器関連ウイルス
・この10年ほどに見つかった呼吸器関連ウイルスには以下のようなものが・・
Human metapneumovirus
Rhinovirus clade C
Bocavirus
Polyoma viruses WU and KI
H1N1(BNAbs, transcription profiles, H5N1)
3 new human coronavirus

＃２：MERS-Cov（Middle East Respiratory Syndrome Corona Virus）
１）序章：
・2012-09-20に突然ニュースが・・「New human coronavirus in Saudi Arabia」
・Newsはあっという間に、世界に広がる。

２）人間も賢くなっていた
・しかし人間様も前回のSARSの経験から新しいウイルス発見に対する準備状態もある。↓

３）臨床像の一部
・症例：60歳Saudi Arabia男性が肺炎に。レントゲンは超悪い


・培養ではAcinetobacterが生える。しかし某国と異なり、すぐAcinetobacterに飛びつかない。代わりにウイルス培養でCytopathic effectを認め、「ウイルス性」と見当をつけた

４）犯人のIDは？
・↓の図のようなありとあらゆるウイルス学的検討を行った。


５）更なる調査から
・以前から、時に動物の風邪ウイルス（Coronavirus)が人間に致死的な呼吸器感染症を起こすと考えられて来た。
・New human betacoronavirusを見つけた。（エラスムス大学などで）そして数ヶ月のうちに、この新しいウイルスに対して数種類の名前が考案されていた。ConsensusNameとしてMERS-Cov（Middle East Respiratory Syndrome Corona Virus）となる。
・暫くはWHOなどは人・人感染は起きないとしてきたが同時にNEJMなどでは家族内発症を報告する。（Memish ZA, Zumla AI ら　N Engl J Med. 2013 Jun 27;368(26);2487-）
・最初はみな先陣争いもありChaoticなのです
・やがて、たった1種類のコウモリの糞からMERS-Covが見つかる。更にラクダからも。
・NEJM2013年8月号には院内感染によるMERS-Covの集団発生が報告される
・2013年11月現在で114例の報告（死亡率は約半数）＜＜これは勿論、認識されるほど重症な例が分母ですから死亡率は高いです。もしかして無症状が10万人いるかも知れないから・・

（写真：大分暖かくなりましたのでサクラ・・）