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Channel: 感染症診療の原則
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想定外の安全性モニタリング

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安全かどうかは、個別の医薬品や食事での話(状態や量など)、また、それに曝露する個人の個体差の問題とあって、話はあまりシンプルではありません。

比較対照群を持たないデータや、サンプル数のうんと少ないもの、後ろ向きに集めたものなど、解釈の際の限界の多い数字もあります。
意味が無いということではないですが、「限界」(解釈上の注意)を踏まえておくことが重要になります。

ジャーナルクラブなど、院内の勉強会でクリティカルに読み解く訓練ができるといいですね。


お題は安全性、、なのですが、例えば、ICUで3日以上セフェピムを使用した100例の前向きな検討
Cefepime neurotoxicity in the intensive care unit: a cause of severe, underappreciated encephalopathy

たいへん勉強になるブログ Blog「星空の海にただよえば」 でも紹介されています。

特定の条件下での安全性や有効性の情報は臨床試験のデータだけではわかりませんので、現場で何に注意をすべきかというtake home messageつきのデータはありがたいですね。
(過度に一般化することもできないことにも注意)


ところで。
このようなデザインされた検討でのデータとは全く違う話があります。

それは、何かの手違いで、スゴく長期に患者さんがある薬を服用、、、その結果どうなったかという「想定外」の観察結果です。
ちょうど先日、感染症の専門の先生達と梅毒について話をしていたときに、他の医師が処方していたケースを相談されてびっくり、その患者さんは「3年間毎日ペニシリンを内服していました・・・」ということです。
しかし、血液データ上も特に何も興ていない。

ふえええええ・・・すごいね、といっていたら、横から

「実は・・・7年間内服という事例があるんです」「何もおきていませんが・・・」

という声が。(もっと長いよという事例もきっとあるのでしょう)


ひえええええ・・・その医師はなんでまた、いえ、患者さんもなぜ真面目に文句も言わず、、、誰も気づかず(切られたりしないの?)

「あまりに安いので注目されないのかもしれません」

そうなんですか?(@@)

アモキシシリン の値段を見ました。
確かにお安い

梅毒は歴史のある感染症でありますが、検査の評価とか治療は???な対応をされている事例に出会いますよね。

都内では急増していますので、今後、梅毒シリーズ記事等も試みたいと思います。



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