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Channel: 感染症診療の原則
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百日咳でもマイコでもなく

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2010年に国内の医科大学と大学病院で学生や職員が咳症状。、、、で百日咳のアウトブレイクやマイコプラズマがうたがわれ、調査が行われました。

3つの事例の検討結果が報告されています。

「百日咳集団感染疑い事例における起因病原体の検索」  IASR Vol. 32 p. 234-236: 2011年8月号

「1事例から百日咳菌とB. holmesii が検出されたが、残り2事例ではライノウイルスが複数の有症者から検出された。ライノウイルスは風邪症候群の原因ウイルスの一つであり、大人の風邪の多くを占め、特に春(5〜7月)と秋(9〜11月)が多いとされている。今回の集団感染事例も5〜6月に発生しており、ライノウイルスの流行時期と一致した。これまでに百日咳菌と鑑別が必要な病原体として百日咳類縁菌(パラ百日咳菌、B. holmesii )、マイコプラズマ、クラミジア、ボカウイルスなどが知られていたが、今回の事例解析により新たにライノウイルスの鑑別の必要性が指摘された。」

どちらでもなく、別の病原体だった、です。
(詳しい検査は地方衛生研究所や国立感染症研究所に相談)

Bordetella holmesiiについては、2010年、ニューヨークで子どもで複数報告され、出たアラート

Bordetella holmesii: a rare cause of bacterial endocarditis in a post-splenectomy patient BMJ Case Reports 2010; doi:10.1136/bcr.11.2009.2459

Pertussis False Alarms Prompt CDC Review " MMWR 2007; 56(33): 837-842.


百日咳もBordetella holmesiiも両方はやっていた、という報告も。

Co-circulation of Bordetella holmesii and Bordetella pertussis During a 2010 Outbreak of Pertussis in Central Ohio
2011年の会議報告



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