米国の内科のBoardから「Practice Characteristics Profile」のUpdate要望がきました。
Boardというと単なる専門医資格を与える学会機関といった誤解をしている方が多いですね。
米国のBoardとは各専門領域の医師の質を検討し、専門医の資格を与えたりする臨床の専門家集団です。学会とは直接関係ありません。
日本では学会が専門医資格を与えるのとは本質的に異なります。
米国のBoardは、各専門領域の医師の質を担保する責任を持ちます。
質を担保する具体的方法は、別の査察機関の検査を合格した施設・プログラムで一定期間研修し、質の担保されている指導医のもと、要求されている症例数を経験し、資格試験に合格させる中でおこなわれます。
米国Boardの中心Memberには大学の教授が多数おられますが、彼らとて教授だから・・という事で特別措置により専門医になる事はなく、基本的には数年の訓練期間例外なく臨床訓練を受けるのです。当然、Boardの試験に落ちる教授は沢山おられます。若い研修医に混じって白髪の教授が試験場で隣同士も良くある風景
今回の「Practice Characteristics Profile」のUpdate要望も、Board自身が提供するプログラムの内容に問題が無い事、内容が古くない事などを調査・確認するため・・としています。このような専門医の質の維持に不断の努力を惜しまない姿勢には学ぶものが多いと感じています。
質も内容も？？？の学会に参加して、出席証明のスタンプを押して専門医制度を維持させる集金システムではないのですから・・
写真：編集長が多大な努力を払って維持している米国感染症専門医資格、Certificate