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Channel: 感染症診療の原則
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O157 別の株

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O157の話の続き。感染症屋さんに参考になりそうな話。

臨床で対応するときに大きな区別はないのですが、行政が対応をするときは「食中毒?」「感染症?」という問いがあります。
臨床系の人には???だと思いますが,要は管轄部署が違うということです。
実際には人員もかぎられていますので協力しあうことになりますが、誰がどこが主軸かということが1つ。

また行政の区分けもあります。
札幌は政令市なので感染症情報センターも保健所も独自に運営されています。
その他の地域は「北海道」が対応するわけです。
今回は特定の食品が原因と断定されており、「北海道保健福祉部健康安全局食品衛生課」が対応をしています。

(保育園や施設、家庭内で2次感染、3次感染をしていくときは直接食品が関連しませんが)

前の記事に書きましたが、規模の大きいアウトブレイク、同時期のdefuse outbreakは「同じ病原菌でおきている」と思われがちですが(思い込みやすい)、菌の情報をみていくと、「あれ?違うルート、違う事象をみているのかもしれない」という事に気づきます。

例えば、「苫小牧保健所管内等における食中毒の発生について(第4報)」8月14日の下の方に、「苫小牧保健所管内の1事業所における事案については、原因食品が提供されず、有症者 便の菌の遺伝子パターンが他とは異なることから、本件とは別の事案として、引き続き調 査を進める。」とあります。
(人員が限られているなか、お休みシーズンのさなか、保健所の皆様はとてもたいへんだとおもいますが遠くから応援しています)


家族が胃腸炎症状で受診して、「ノロわれた家族」と診ていたら、若いお母さんだけ子宮外妊娠だった、、というERでのコワイ事例を寺澤先生からうかがったこともあり、1例1例の丁寧な検討は大事だなと思いますね。

いずれにしましても、、、感染症の勉強をするときに、分子疫学の話が不可欠な時代になりました。

がんばりましょう〜。時代はもれきゅらー(byリー・ライリー先生)

Molecular Epidemiology Of Infectious Diseases: Principles And PracticesAmer Society for Microbiology

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