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Channel: 感染症診療の原則
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虫が知らせてレジオネラ

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何か虫が知らせて突然、症例検討会で提示されたレジオネラ肺炎、特にその診断について書きたくなりましたので、書きます。
(本当は「書け」という天の声がありました)

レジオネラ肺炎は疑えば半分は診断・診療に成功したようなもの。
治療は耐性で悩むことはない感じですが、肺炎球菌なみの光速殺傷能力があるので集中治療室まであっという間に運ばれ、そうなると「改善してる」との認識が難しく「耐性菌」を扱っている印象を持つかも。

A:市中肺炎として認識できた場合(これはLuckyです)
・次はレジオネラ肺炎を含む異型肺炎を鑑別に挙げるかどうか
・「異型肺炎」を鑑別に挙げる最適な方法は「肺外(Extra pulmonary)」の症状・所見が有るか無いか? 有れば積極的に考えて検査を出す。肺外症状はCNS、GI、LFT、Musculoskeletalなどなど。

注)検査で一番、手頃でPopularなのは尿中抗原ですが、詳細は専門家に譲ります。但し・・
・肺炎球菌のように最初から莢膜多糖が多くしっかりと尿中抗原陽性とならず偽陰性となったものも経験してますから、「臨床的に強く疑う」場合には再検します。
・血清群1のみ対象とするものから、もっと多くの血清群を対象とするものもあるらしいけれど、この辺りは専門家に譲ります。

B:市中肺炎と認識できなかった場合(編集長は症例検討会を通して経験するので、こちらが多い)
・性格の悪いおやじの性格が更に悪くなった。
・突然発症の水様便
・肝機能異常
・全身痛で表現された横紋筋融解

更に診断を難しくさせる要因の例:
・初期の尿中抗原偽陰性(肺炎球菌のように最初から莢膜多糖が出て来ない)
・熱でも下痢でも咳でも鬱でもクラビットを処方する医師(勿論、検査などしてない)
・何より特筆に値するのは、高齢者で全く呼吸器症状無い、呼吸数正常の例が少なくない

診断のきっかけとなったもの:
・疑ってなかったが、ルーチンで撮影した胸部写真に肺炎!
・肺炎悪化の経過が早くβラクタム剤の効きが悪い
・比較的徐脈(国試にでる「ブルセラズレオチ」です)。これは脱水などでマスクされるので輸液した次の日あたりに顕著になることも
・顕著な低Na、低P、、これなど結構レジオネラぽいですかね・・
・研修医が賢い(千葉県銚子の近くにある飯岡駅の手前の・・)

「天の声」様、このくらいでお許し下さい。

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