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Channel: 感染症診療の原則
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若セミ 救急と超音波 Q&A

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昨夜の若セミ by 福井の林教授は素晴らしい内容でしたね。「訪問診療の現場もO2SatとiPhoneサイズの超音波でいける時代が既に到来しつつある」とはQ&Aサポーターの順天堂練馬の小松先生。
以下の昨夜の若セミのQ&Aです。//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
1.    質問者 : 外科医 40代
質問内容 : 蘇生中の心エコーは心窩部観察ですか?

患者さんの見えやすさに合わせて、心窩部、胸壁使い分けます。胸骨圧迫中に心窩部からうまく見えるかどうか、揺れながら確認して、見えにくいとわかれば、脈チェックの10秒以内に素早く胸壁で見える部位を探して6秒間動画を撮り、さっと胸骨圧迫と交代します。


2. 質問者 : 医師 2年目
質問内容 : fine VFでは除細動は禁忌ですか?

fine VFは必ず除細動してください。しないといけません。しかしながら、心臓の馬力が弱いことが多く、除細動後そのまま心静止に移行することが多いです。心静止になったらアドレナリンを投与するとまたVFになり、次に除細動が成功することもあります。


3. 質問者 : 医師 50代 内科
質問内容 : 救急医療に従事されている先生方や循環器の先生方は、UCGでの心腔のサイズや比、
左室壁運動異常は、容易に判定できると思います。それだけ正常のUCGを見ているからと思います。施設にもよりますが、学生や研修医がUCGをたくさん見る機会は少ないかもしれません。
昔は生理検査室で勉強したこともありますが、今の時代は、林先生のようにUCG readingを
するには、救急医でない当直医、学生、研修医はどのように勉強したらよいでしょうか

『超音波は習うより慣れろです』とにかく普段から使い慣れないと、蘇生の現場では使い物になりません。福井大学では医学生向け、研修医向けの講習会を開いています。また実習でも患者さんの同意を得て、医学生にはどんどんUSを使わせています。ERには超音波が5台あるので、聴診器のように使い慣れるように初期研修医には指導しています。生理検査室で行うようなUCGの詳細な計測はすっ飛ばして、蘇生や救命に関するポイントだけに集中して、POCUS(Point of Care UltraSound)を行うことは有用であるという論文は多いです。


4. 質問者 : 医師 小児科医 60代
質問内容 : 肥満や乳房の大きい人でも肺超音波は有効ですか。

はい、とても有効です。


5. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 肺エコーはX線ができない場合や、X線では診断が難しい場合に優先されるでしょうか。X線でわかりにくい場合、CTにいきがちですが・・・。
病院では、結局、X線もCTも撮影されてしまうことがあるようですが、どのように適応を決めて
おられるでしょうか。

何の疾患を疑うかによって適応は変わります。今回お話しした気胸は、患者の状態が悪く立位にできない場合は特にX線より圧倒的にUSの方が有用です。ベッドサイドでできる手技なので、X線やCTよりも早く使えます。患者さんの病歴を聞きながら超音波を同時に施行できるのが、ERでは重宝しています。CTはgold standardなので、必要があれば結局とられることが多いというご意見は正しいでしょう。血圧<90mmHgではCTは禁忌なので、USははるかにX線より有用なことが多いです。ご指摘のごとく、現場ではX線は結局後で撮っていることが多いです。X線はやはりわからないなぁと思うことも多いです。


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