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Channel: 感染症診療の原則
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若セミ第1回 徳田先生 ~臨床推論と予防医療~ Q&A

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若セミ第1弾、徳田先生の「~臨床推論と予防医療~」のQ&Aです。
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1. 質問者 : 大学医学部附属病院 総合臨床研修センター長
質問内容 : 研修医を指導する立場として参加しております。
質問ではございませんが、消化器専門医の立場としてコメントさせて下さい。 無痛性の中でも、特に嘔吐の場合、吐いた後でも症状が残り続け、すっきりしないる点が食物残渣を吐いた時とは異なる点を是非とも教えてあげて下さい。

回答>貴重なコメントありがとうございます。重要な鑑別ポイントと存じます。

2. 質問者 : 呼吸器科医師 40代
質問内容 : ニトログリセリンの効果のあり・なしによる、安定狭心症とACSの鑑別の根拠をおしえていただきたくお願い申し上げます

回答>安定狭心症は心臓への血流の需要と供給のバランス障害によって起こりますので、ニトログリセリンによる冠動脈血流と前負荷の改善が有効です。一方で急性冠症候群では多くの場合、冠動脈のプラーク破裂などのによる血栓性閉塞が原因であり、血行動体のバランスを改善するのみでは改善しないのが特徴です。

3. 質問者 : クリニック
質問内容 : 急性膵炎の痛みとの鑑別

回答>急性膵炎は上腹部痛のことが多く、食事摂取による増悪をみること、身体診察上は、上腹部の中等度以上の圧痛と反跳圧痛があり、ときには筋性防御も認めます。

4. 質問者 : 初期研修医1年目
質問内容 : LR<0.1が有用な初見とおっしゃられたのですが、LR>=0.2の所見を複数認めたらLR<0.1と判断してよいでしょうか、それとも2年目以降の先生に委ねるべきでしょうか?

回答>LR>=0.2の所見を複数認めた場合、それらの複数の所見が確立的に独立事象であることが重要です。最終的な判断は臨床的に行われるべきですので、胸痛患者への最終判断に関しては2年目以降の上席医に相談することをお勧めします。


5. 質問者 : 研修医2年目
質問内容 : 静脈圧測定法について、手背静脈で推測する方法を教えていただきました。
東方、ラインをとった後に輸液バッグを下げ逆血を起こし、ルート内の液体移動が起こらなくなった時のバッグ内液面の高さで推測しています。中心静脈圧<末梢静脈圧ですので、高いことの確認より低いことの確認には役立つと思っております。

回答>その方法でも良いと思います。ただしスピードが要求される診察ですので、素早く行うことができればとの条件がつくと思います。

6. 質問者 : 医師
質問内容 : 初歩的なことを伺いますが、意識障害があり、かつ血圧が高い場合は中枢神経系障害を疑うとご教授いただきましたが、脳梗塞の場合も高血圧なのでしょうか。出血よりは血圧が低い印象がありますが、徳田先生のご見解を伺いたく存じます。

回答>私も脳出血のほうが高い印象がありましたが、下記研究では差は無かったようです。
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/01.str.28.7.1401



7. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 病院では心電図もX線も比較的とりやすく、血液検査やCTも同日にできてしまうことは多いと思います。救急外来ではそれもありかと思いますが、慣れてしまうと一般の外来でもそういったオーダーもできてしまう時代です。そのほうが正診率が高いのでしょうか。

回答>ACS疑いでの心電図はほとんどの医療機関ですぐに可能ですのでとりやすいのですが。AADやPEの除外には臨床的判断も行った上で、造影CTをとることが勧められています。


8. 質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : COVID-19の影響で、学生臨床実習にも制限のあるところもあります。
対面での問診や診察の機会は少なくなっています。若セミを聴く以外に、こうした実習をしている全国の医学生に徳田先生からメッセージをいただければと思います

回答>セミナーの最後の時間に、お答えしました。研修医の皆さんの問診と診察の勉強の機会が今後得られることをお祈りしています。

9. 質問者 : 薬局薬剤師 50代
質問内容 : 診療のピットフォールを明確にご教示戴き、ありがとうございます。日本調剤秋田薬局で薬剤師を務めている上岡と申します。薬局は専門性がない事から色々な症状で様々な診療科を受診する患者さまに薬をお渡しします。症状を通して別の診療科の受診を勧奨する事もあります。先生方が薬局で引っ掛けて欲しいと思うような症状がございましたら、ご教示戴ければ幸甚に存じます。リウマチ関連の弁膜症やシェーグレン、握力測定からのフレイルに関して取り組んでいますが、もっとこういうヒアリングをして先生方に報告すべき事があればご教示戴きたいです。

回答>内服薬の副作用が疑われる症状についてのスクリーニング問診をお願いしたいと思います。特にポリファーマシーのケースでは、薬の総合作用等で副作用のリスクが高くなっておりますので、たいへん助かります。例えば、NSAIDs内服中のケースでの消化性潰瘍を疑う症状などです。

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