編集長の症例検討会のこつは臨床的に前面にでる臓器・解剖に集中せず、かえって周辺に注意を向けることから始める事にあります。同様にコロナ禍にあってもCOVID-19ばかり注目せずに周囲を見ることにしています。そこで・・
今夜はHIV感染症領域の話題でLong acting(長期間有効)な薬剤によるHIV感染症「予防」を少し学びました。
月に一度の注射や経口で良いもの(例:Cabotegravir、Islatravir)、数ヶ月から1年に1度でも良いかもしれない植え込み型(例:TAF implant)などを知りました。
1年に1度、月に1度の投与でHIV感染症を予防できるならばワクチンが無くても、将来、地球上からHIV感染症を消滅させることができるかも・・などと夢想しております。あれほど治療が難しかったHIV感染症でさえ素晴らしい治療薬が出現したのです、コロナもワクチン、治療薬と発展していくと信じています。
英国、南アフリカの変異種などで落胆せずに。将来、いかなるインフルエンザウイルスもコロナウイルスも中和できるユニバーサルワクチンが出来るかもしれませんから。
タイトル写真:左(David Ho先生)と真ん中(Chip Schooley先生)。この二人はHIV感染症をコントロール可能な疾患に変えたカクテル療法の元祖といって良いでしょう。そして二人はコロナに対する治療も開発しています。トランプ前大統領がCOVID-19に罹患した時に投与されたモノクローナル抗体を開発したのはHo先生だったと思います。Schooley先生はUCSDのキャンパスに無料でPCR検査ができる自販機を配置していち早くCOVID-19をコントロールしました。
HIV感染症の師匠 UCSDのRobert Chip Schooley先生