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Channel: 感染症診療の原則
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「陰性確認 2回」 時代の終わり

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まずは大きく息をすって一気に読み上げます。  スウ・・・・
2020年2月6日の通知「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」
(長い) 読めましたか?素晴らしい。
この内容が 2020年5月29日に一部改正されました。https://www.mhlw.go.jp/content/000635398.pdf
一部改正された資料をさらに一部改正。何が新しくなったのか? わかりやすい対照表がついています。助かりますね。詳細はリンク先を読んでください。
一言で言うと、患者さんも臨床現場の人たちも苦しめられていた「2回の陰性確認」時代が終わるということです。長かった・・・。
「軽症者が退院できずにベッドがあかない」問題。テレビでは医療崩壊・医療ひっ迫!と連呼していましたが、その内実はコロナウイルスの問題ではなくて実態に合わない制度でした。
また、崩壊・ひっ迫!のミスリードになったのは不確かな統計です。検査陽性患者がどんどん積もって行くのに、軽症や退院・ホテルへの移動が把握できていないとか。間違っているとか。意図的に間違えるはずはもちろんないので、正確な数字が出せない構造を修正できないまま長時間経過したことが問題です。
入院や隔離の長期化は患者さんのメンタルダメージにもなっていましたし、ホテルでは根拠のない行動制限がかかり、人権問題として批判もおきています。今後検証されるでしょう。
陰性確認にもともと向かないPCR検査。PCR検査の枠が少なくて検査してもらえず困っている人がたくさんいたのに、回復して日数も立っている人たちに何度も何度も検査をしていたのはなぜだったんですかね?今後検証されるでしょう。
「陰性の確認がいるのだ」という誤解を社会に与えたことの影響も大きいです。
(朝日新聞  「感染疑わしい人とは働けない」 陰性証明の要求相次ぐ
厚労省が自宅やホテルの場合は検査しないで「みなし陰性」として自宅に帰れるような資料をがんばってだしてくれましたが、居住地の自治体がそれぞれ独自の基準で「検査で陰性となるまでは陰性と認めない」等といって患者さんや家族が仕事ができなくなってしまったりと、混乱も生じました。(このことはニコ生「わかんないよね 新型コロナ」で回復した人が5/27(水)に体験を説明していました)
展開が早い感染症の場合、こうした負担を下げるための変更もいかい早くできるかがカギとなります。一度流行が落ち着いた時が次に備えるチャンスなわけですが、そのためのアクションは行われているでしょうか ?まずは自分の地域・施設から。より大きな単位については皆で急いで提案をしましょう。
編集長&編集部一同もがんばります。







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