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Channel: 感染症診療の原則
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若セミ 小児科編 Q&A

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齋藤先生が回答下さいました。以下、ご覧下さい。
質問者 : 医師 内科 50代
お名前 : 本康宗信
質問内容 : 体温は症状の有無や時間によって上下すると思います。入院中は検温時間が決まっていますが、家庭で体温を測るタイミングについては、いかがでしょうか。

検温のタイミングは、特に決められたものはありません。保護者がいつもと違う(熱い、機嫌が悪い、哺乳が落ちているなど)と感じた時に測定するのが、そのタイミングかと思います。


質問者 : 医師 小児科 60代
お名前 :
質問内容 : 非接触型の一瞬で計測できるタイプの体温計の、正確性と他の計測方法との差は如何でしょうか。

非接触型の体温計は、測定される場所が皮膚表面で、外気温の影響を受けやすいことなどを考えると、当然、発熱を定義する深部温との乖離がでます。ですので、患者の体温のルーチンの検査には用いることはできると思いますが、実際に発熱があることが予想され、る患者の体温を測定したい時には、従来の方法での測定が必要と考えます。


質問者 : 医師 小児科 60代
お名前 :
質問内容 : 最近は内科の先生方は、裸にして全身を診ない場合が多いようですが、思春期の患者でも外陰部の診察や直聴診なども、積極的に行っていらっしゃいますか。

思春期の患者では、患者の訴えにより、必要に応じた診察を心がけています。必要がある場合に限り、それらの検査をしております。


質問者 : 初期研修医
お名前 : ひろ
質問内容 : 血液培養について、小児用のボトルと成人用の違いは血液必要量以外に何かあるのでしょうか。また、小児用のボトルで培養可能なら、なぜ成人に対しては20ml程度の血液量が必要なのでしょうか。

前提として、小児の小児の血液ボトルの内容は、成人のものと比べ、その組成が異なります。小児の血液には、成人に比べ、一般的に多くの菌量が存在するため、陽性となりやすい特徴があります。成人は、血液量を採取するのが困難でなく、また、菌量も小児に比べ少ないことが多く、成人用のボトルで検索します。


質問者 : 医師 内科 50代
お名前 : 本康宗信
質問内容 : 当地では百日咳が流行しています。外注ではLAMPでも抗体検査でも結果が得られるのに5日間程度かかります。百日咳が疑われ、検体を提出した後、マクロライドを処方したうえで出席停止にしますが、結果が陰性の場合があります。流行を考えると検査を行う閾値が下がり、結果としてマクロライドの使用量が増えるのが懸念されます。診断力がないと言われればそうかもしれませんが、よい方法があればご教示ください。

現在の流行状況からは、仕方のないことと思います。年齢、地域での流行状況、特徴的な連続する咳などが百日咳を疑う所見となりますが、疑った際には、抗菌薬の投与により、周囲への伝播の減少に貢献しますので、処方の役割はあると思います。


質問者 : 研修医
お名前 :
質問内容 : CT撮影をするときに保護者に被曝の影響について説明した上で撮影すると思うのですが、先生はどのように説明されていますでしょうか?
具体的にどのくらいの被曝でどのくらい悪性腫瘍が増える等のデータはありますでしょうか?
このあたりは、多くの新しいデータが出てきているところで、X線被ばくとその後の悪性腫瘍の発生についての関連が示されています。代表的なものは、Lancet. 2012;380:499-505が参考になると思います。ここでも記載がありますが、そもそも小児の悪性腫瘍は、頻度が低いので、リスクも低いわけですが、現在は、それを知っている以上、検査は必要最低限にすることが大事かと思います。日常の診療では、この様なリスクがあることを説明した上で、検査のメリットが上回ることを説明し、検査を行っています。

質問者 : 医師 家庭医 30代
お名前 :
質問内容 : 貴重なご講演ありがとうございます。
小児の血液培養も2セットなるべく取ろうとのことですが、1セットあたり最低何ccとれば良いとか目安はあるでしょうか。
新生児、乳児などで採取量に違いがありますか?

まずは、血液培養のボトルの中で、小児用のものを用いるのが重要です。小児用は、血液量が少なくても、陽性率が高まるように組成が変えてあります。小児用血液用ボトルの最低量は、通常1mlのボトルが多いですが、Bactecのものは、0.5mlです。当然、採血量が多くなれば、陽性率が高まります。新生児、乳児では、差はありません。


質問者 : 医師 内科 50代
お名前 : 本康宗信
質問内容 : Hib
PCVのワクチン接種が定期接種の時期に合わせて行われていれば、totalの回数にかかわらず感染の頻度は低いと考えられるでしょうか。

その通りです。接種時期にもよりますが、接種を行っていることでそのリスクは減少します。当然、決められた回数を接種済みであれば、カバーされる血清型による感染のリスクは、ほぼないことになります。


質問者 : 初期研修医 2年目
お名前 :
質問内容 : 複雑性熱性けいれんのうち、どのくらいの割合が細菌性髄膜炎(中枢神経感染症)か

児の予防接種歴によって、その頻度は大きく異なりますが、ヒブ、肺炎球菌ワクチン接種済みの児では、その非常に頻度は極めて低いといえます。熱性けいれんは、6か月から6歳の間で、特にそのピークが18か月程度ですので、その時期の細菌性髄膜炎は、ワクチンでカバーできない血清型による肺炎球菌か髄膜炎菌かということになりますので、極めてまれということになります。ただし、ワクチンでカバーできない血清型による肺炎球菌による髄膜炎の報告は国内で散見されますので、注意が必要です。


質問者 : 医師 小児科 60代
お名前 :
質問内容 : ご講演の中で、熱性痙攣の再発率が60%とのお話でしたが、私の記憶では、再発率は40%くらいだったと思います。最新の研究では、再発率が上昇したのですか。

申し訳ありません、私の話した内容に誤りがあり、訂正いたします。通常、熱性けいれんの再発率は、約3割であり、その内の約75%が1年以内に再発するというのが、最新のReviewからのDataです(BMJ 2015;351:h4240)。


質問者 : 薬剤師 30代
お名前 :
質問内容 : 溶連菌感染のとき、ペニシリンアレルギーには第3世代セフェムを投与ということでしたが、成人では、自己申告の場合、真のアレルギーであることはあまり多くはないということで、慎重投与ではありますが、ペニシリンを使うこともあるかと思います。小児の場合は、どの程度真のペニシリンアレルギーはありますか?
その場合は、やはり、ペニシリンや第一世代セフェムは避けたほうがよろしいですか?

ご指摘の通りで、小児においても、多くのペニシリンアレルギーと呼ばれているものは真のアレルギーでないことが多く、その病歴によっては、ペニシリンを使用することもあります。真のアレルギーであれば、やはり、ペニシリンは避けた方がよく、一方で、交叉は10-20%程度あるものの、第一世代セファロスポリンは使用可能です。


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