米国CDCのYellow Bookのページ、英国のFit for Travelにも「渡航者(国境を越えて移動する人)」の健康管理の問題として性感染症が独立章となっています。
人がや動物・モノが移動するときに同時に感染症も広がるんですね。
潜伏期間がありますから、気づかずにお土産といったところでしょうか。
昔は歩いたり馬や短距離の船くらいでしたから、交流を持つ範囲も狭かったはずです。
しかし、大航海時代にはいって大陸をまたいで人が移動をすることになり、戦争では闘いそのものよりも感染症で戦士が倒れていきました。
NHKの大河ドラマでもちょうど話題になっていますが、「参勤交代」なども感染症拡大にどれくらい影響したのか興味津々であります。
・・・というモードで調べていたら。
漫画『JIN-仁』を書いた作家の方が、下記の当編集部所蔵の本と同じ本をみてひらめいていたとは(@@)
江戸時代に現れた脳外科医『JIN‐仁‐』が、日本人に見つけたもの
"そんなときに幕末の、いわゆる花魁や遊女たちの性病にポイントを当てた本を見つけたんですよ。『江戸の性病~梅毒流行事情』(苅谷春郎著)という本です。読んでみたら、ものすごく平均寿命が短いんですね。
そういう職業に就いている人たちは、性病にもなるし、結核にもなったりとかする。もっとも条件のいい吉原などで25歳、条件の悪いところだと20歳そこそこの平均寿命だと。幸運に仕事を辞めるまで生き延びた人がいたとしても、その後、すぐに病気で亡くなっちゃったりするわけです。
それを知ったときに、とてつもなく悔しい思いがしてきて。その悔しさを晴らすにはどうしたらいいんだろうなと。タイムマシンで当時に行けても、自分は別に医療従事者じゃないし、何もできない。ああ、俺がもし医者だったら、そういう時代に行って治してあげたいな、というぐらいの気持ちになったんですね。"
じーん(ダジャレではありません・・・)。
江戸の性病―梅毒流行事情三一書房
戦争にも性病はつきものですが、明日死ぬかも、一週間後死ぬかも、、みたいな生活の中で軍や社会はどのように性の問題をみていたのかなあと思い購入して編集部感染症コレクションに加えました。
米国CDCの教育スライドにもFocus on the Treatment of STDs in Military Populationsというのがあります。
関連のニュースペーパーでも梅毒増えているよ!という記事があったり。
日本は、民間サービスはあぶないから、ちゃんと検査を定期的にしている軍が指定しているところにいきなさい、そして軍が配ったコンドーム(「突撃一番」という名前)を使いなさい、、と指導はありましたが、性感染症になってしまった人の調査によると、コンドーム使用率は期待するほど高くなかったそうです。
「衛生サック」とよばれた時代。
行為のあとにじゃばじゃば洗う機会とか、怪しげなクリームの広告、ベッドの上の写真など、資料も豊富で大変勉強になりました。
陸軍と性病: 花柳病対策と慰安所えにし書房
ちなみに・・・北多摩薬剤師会のホームページは大変勉強になるのサイトで、薬と歴史シリーズ 7 ~ 軍隊と薬、局方 ~には、「解説略」となっていますが、軍隊が兵士にくばっていた性感染症のお薬「星秘膏」の写真もあります。
・・・そんな話にワクワクドキドキするのは編集部だけじゃないですよ。ちゃんと科研費で研究している専門家もいるんですよ。
「性病」と帝国―ロシアから日本への「検黴」制度の伝播とその後―
"日本最初の検黴以後も、ロシア艦隊は継続して<長崎の梅毒>を憂慮しており、特に、<秘密売春(私娼)>目を向け、その取締りを長崎当局に要請していた。一方で、注目すべきことは、同時に、<売り手>である長崎の女性のみならず、<買い手>であるロシア水兵に対する管理も本格化していたことである。1890年代、ロシアでは梅毒蔓延対策をめぐり梅毒学者や医師などが参加する全国規模の大会が開催され、子孫の絶滅危機という梅毒を<国民病>とする語りによって農村での梅毒蔓延の危険性が訴えられた。"
兵士(若い男性)の健康問題ですから一大事です!。
いつかこのあたりの資料や史跡を探しにいきたいです(どこへ行けばいいのかよくわかりませんが)。
梅毒の歴史については、グローバルヘルスのスペシャリストの先生のブログ記事がとてもわかりやすくまとまっています。
「梅毒の歴史について」
人がや動物・モノが移動するときに同時に感染症も広がるんですね。
潜伏期間がありますから、気づかずにお土産といったところでしょうか。
昔は歩いたり馬や短距離の船くらいでしたから、交流を持つ範囲も狭かったはずです。
しかし、大航海時代にはいって大陸をまたいで人が移動をすることになり、戦争では闘いそのものよりも感染症で戦士が倒れていきました。
NHKの大河ドラマでもちょうど話題になっていますが、「参勤交代」なども感染症拡大にどれくらい影響したのか興味津々であります。
・・・というモードで調べていたら。
漫画『JIN-仁』を書いた作家の方が、下記の当編集部所蔵の本と同じ本をみてひらめいていたとは(@@)
江戸時代に現れた脳外科医『JIN‐仁‐』が、日本人に見つけたもの
"そんなときに幕末の、いわゆる花魁や遊女たちの性病にポイントを当てた本を見つけたんですよ。『江戸の性病~梅毒流行事情』(苅谷春郎著)という本です。読んでみたら、ものすごく平均寿命が短いんですね。
そういう職業に就いている人たちは、性病にもなるし、結核にもなったりとかする。もっとも条件のいい吉原などで25歳、条件の悪いところだと20歳そこそこの平均寿命だと。幸運に仕事を辞めるまで生き延びた人がいたとしても、その後、すぐに病気で亡くなっちゃったりするわけです。
それを知ったときに、とてつもなく悔しい思いがしてきて。その悔しさを晴らすにはどうしたらいいんだろうなと。タイムマシンで当時に行けても、自分は別に医療従事者じゃないし、何もできない。ああ、俺がもし医者だったら、そういう時代に行って治してあげたいな、というぐらいの気持ちになったんですね。"
じーん(ダジャレではありません・・・)。
江戸の性病―梅毒流行事情三一書房
戦争にも性病はつきものですが、明日死ぬかも、一週間後死ぬかも、、みたいな生活の中で軍や社会はどのように性の問題をみていたのかなあと思い購入して編集部感染症コレクションに加えました。
米国CDCの教育スライドにもFocus on the Treatment of STDs in Military Populationsというのがあります。
関連のニュースペーパーでも梅毒増えているよ!という記事があったり。
日本は、民間サービスはあぶないから、ちゃんと検査を定期的にしている軍が指定しているところにいきなさい、そして軍が配ったコンドーム(「突撃一番」という名前)を使いなさい、、と指導はありましたが、性感染症になってしまった人の調査によると、コンドーム使用率は期待するほど高くなかったそうです。
「衛生サック」とよばれた時代。
行為のあとにじゃばじゃば洗う機会とか、怪しげなクリームの広告、ベッドの上の写真など、資料も豊富で大変勉強になりました。
陸軍と性病: 花柳病対策と慰安所えにし書房
ちなみに・・・北多摩薬剤師会のホームページは大変勉強になるのサイトで、薬と歴史シリーズ 7 ~ 軍隊と薬、局方 ~には、「解説略」となっていますが、軍隊が兵士にくばっていた性感染症のお薬「星秘膏」の写真もあります。
・・・そんな話にワクワクドキドキするのは編集部だけじゃないですよ。ちゃんと科研費で研究している専門家もいるんですよ。
「性病」と帝国―ロシアから日本への「検黴」制度の伝播とその後―
"日本最初の検黴以後も、ロシア艦隊は継続して<長崎の梅毒>を憂慮しており、特に、<秘密売春(私娼)>目を向け、その取締りを長崎当局に要請していた。一方で、注目すべきことは、同時に、<売り手>である長崎の女性のみならず、<買い手>であるロシア水兵に対する管理も本格化していたことである。1890年代、ロシアでは梅毒蔓延対策をめぐり梅毒学者や医師などが参加する全国規模の大会が開催され、子孫の絶滅危機という梅毒を<国民病>とする語りによって農村での梅毒蔓延の危険性が訴えられた。"
兵士(若い男性)の健康問題ですから一大事です!。
いつかこのあたりの資料や史跡を探しにいきたいです(どこへ行けばいいのかよくわかりませんが)。
梅毒の歴史については、グローバルヘルスのスペシャリストの先生のブログ記事がとてもわかりやすくまとまっています。
「梅毒の歴史について」