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Channel: 感染症診療の原則
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同じ薬が、米国で14,000円 vs.英国で150円 (US$1:100円として)

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1秒間に1000回の売り買いを行う金融の世界は編集長の想像を超えていますが、少なくても身体的感覚を遙かに越えた世界である事は間違いありません。
(編集長はそのように内田樹氏が書いてらっしゃっていたように記憶しています。)

それではHCVの薬のように1錠10万円(実際は1錠1,000円で作れる?)を毎日12週間服用の世界はどうですか? 特に一個人の医療費が1,500円/年の国では・・これも身体的感覚を越えていると言えるかも知れません。


昨日、ご紹介したClinical Infectious Diseasesの6/15号に薬価の論文が載っていました。
クリプトコッカス髄膜炎の治療に重要な位置をしめる5FCが以下の値段の違い・・!!

米国では500mg(250mg錠2ケ)は約14,000円
英国では500mgが約150円


Genericの感染症治療薬、例:Benzathin PCN、Aerosolized Ribavirin、Pyrimethamineなどが次々と値上げ、そして5FCは9000%の値上げ。

あまり安い薬は儲からないから作る会社が減る→Monopoly→競争ないから自由に値上げ可能→重要だが安価で助かっていた薬が突然、新薬のような値段に・・

これはレーガン大統領の時に航空運賃の値下げ競争→体力の無い航空会社破綻→体力のある少数の航空会社のみに→競争ないから自由に値上げ可能・・と素人である編集長には似通ったものに見えます。 

医療は消防署・警察・学校のように自由競争・市場原理に任せては大変な事になるという、新たな自例でしょうか?

CIDにも「我々は、全ての患者にBestと考えられている感染症治療薬に注意を払い、その価格が「Imbalance」の状態にならないかを注視する必要がある」とありました。

Amen

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