Diabetic foot糖尿病足 #5
このSession、最後のSpeakerはオランダ・アムステルダムのVU Univ. Med. CtrのEdgar J.G.Peters先生です。
彼の専門はオランダ風の表現なのかな・・ID specialistであり、Acute Medicine Specialistとの事。
演題は「Treaging diabetic foot infections」
具体的な内容として、最近でた4本の糖尿病足感染症のガイドライン(このうち3ヶはSystematic Reviewによる)の紹介と、本疾患を総合的にReviewした結果による結論です。
■最近のGuideline
1)2015Cochrane
・何か治癒や下肢切断を防ぐのに格段優れた抗菌薬があるか?
・どの抗菌薬が副作用が少ないか?全般に良性の副作用が多い。
・結果:
・・20のTrial、3791人の症例
・・6/20がBlindされており、1/3がBlindに十分な情報あり。18/20、即ち大半が製薬会社のFundである。
・・有効性で差が出た研究は
Ertapenem+/-VCM > Tigecycline
・副作用で差が出た研究は
Carbapenem<Anti-pseudomonal penicillin
Daptomycin<Semisynthetic penicillin
Broad spectrum penicillin<Linezolid
Ertapenem+/-VCM<Tigecycline
・経験的な緑膿菌のカバーは良い結果に繋がるか? 結論は「No」。但し研究のデザイン上、特別な菌種、緑膿菌のリスクの高い症例(例えば前回の治療失敗、緑膿菌による汚染の先行、頻繁に足を水に浸す症例、温暖な地域の症例))が意識されていなかった。
・・PIPC/Taz 対 Amp/SBT、Ertapenem、Moxifloxaxin:全て同じ
・・Ticar/Clav 対 CTRX、LVFX:全て同じ
・・Imipenem/Cilasta 対 Amp/SBT:同じ
<font color="maroon">2)2015NICE(National Institute of Health and Care Excellence)
・9738ヶの抄録。全身投与した抗菌薬についての21論文。
・結論:
・・抗菌薬処方内容に違いは無い
・・副作用はImipenem/Cilasta>PIPC/Taz、Moxifloxaxin>PIPC/Taz、Tigecycline>Ertapenem+/-VCM
・・有効性はErtapenem+/-VCM>Tigecycline
3)2015Int Working Group Diab Foot
・手法:
・・PubmedとExerpta MedicaのDatabaseを対象。
・・コントロールを持つ全ての研究を対象
・・全ての言語の論文を対象
・・レベル1:RCT、レベル2:Case-control、Cohort、CBA or ITS研究
・・13,365ヶの研究を対象とし40ヶの論文を発見(37ヶRCT、3ヶCohort)
・・全身投与した抗菌薬の研究:14ヶは軟部組織、11は骨髄炎
・結論:
・・抗菌薬によって治療効果に差は無い
・・抗菌薬投与期間:軟部組織:6-27日、軟部組織で経口抗菌薬:14日、軟部組織+骨髄炎:6-28日
・・治癒率:軟部組織:48-90%、軟部組織+骨髄炎:61-94%
・・骨生検で治癒率向上
・・早期外科治療で重篤な四肢切断を減らせる。
・・骨髄炎に外科 vs 長期抗菌薬:RCTが1ヶで違い無し(問題は外科治療の論文は外科医が、抗菌薬治療の論文は内科医が著者)
・・G-CSFの効果は玉石混合
・・高圧酸素療法に有効性無し
・今後の課題:
・・古い研究の価値:抗菌薬の種類、菌の耐性化、医療制度の変化などが今と異なる。
・・常に抗菌薬は静注でなければならないか?(演者は、経口の役割もあると考える)
・・治療効果の判定方法は? いつ感染症が治ったと判定するか?(菌の消滅が適切な目標か?・・演者は違うと、抗菌薬治療の適切な期間は?)
・・どの抗菌薬が良いか不明。オプションは沢山ある。IDSAのガイドライン(2012)
・最終結論:
・・抗菌薬治療に大きな違いは無い。(Tigecyclineは例外的に駄目かも・・)
・・もし抗菌薬に違い無いなら、安くて、スペクトラムの狭いセファロスポリンを使おう
・・骨髄炎に常に手術が必要ではない。
このSession、最後のSpeakerはオランダ・アムステルダムのVU Univ. Med. CtrのEdgar J.G.Peters先生です。
彼の専門はオランダ風の表現なのかな・・ID specialistであり、Acute Medicine Specialistとの事。
演題は「Treaging diabetic foot infections」
具体的な内容として、最近でた4本の糖尿病足感染症のガイドライン(このうち3ヶはSystematic Reviewによる)の紹介と、本疾患を総合的にReviewした結果による結論です。
■最近のGuideline
1)2015Cochrane
・何か治癒や下肢切断を防ぐのに格段優れた抗菌薬があるか?
・どの抗菌薬が副作用が少ないか?全般に良性の副作用が多い。
・結果:
・・20のTrial、3791人の症例
・・6/20がBlindされており、1/3がBlindに十分な情報あり。18/20、即ち大半が製薬会社のFundである。
・・有効性で差が出た研究は
Ertapenem+/-VCM > Tigecycline
・副作用で差が出た研究は
Carbapenem<Anti-pseudomonal penicillin
Daptomycin<Semisynthetic penicillin
Broad spectrum penicillin<Linezolid
Ertapenem+/-VCM<Tigecycline
・経験的な緑膿菌のカバーは良い結果に繋がるか? 結論は「No」。但し研究のデザイン上、特別な菌種、緑膿菌のリスクの高い症例(例えば前回の治療失敗、緑膿菌による汚染の先行、頻繁に足を水に浸す症例、温暖な地域の症例))が意識されていなかった。
・・PIPC/Taz 対 Amp/SBT、Ertapenem、Moxifloxaxin:全て同じ
・・Ticar/Clav 対 CTRX、LVFX:全て同じ
・・Imipenem/Cilasta 対 Amp/SBT:同じ
<font color="maroon">2)2015NICE(National Institute of Health and Care Excellence)
・9738ヶの抄録。全身投与した抗菌薬についての21論文。
・結論:
・・抗菌薬処方内容に違いは無い
・・副作用はImipenem/Cilasta>PIPC/Taz、Moxifloxaxin>PIPC/Taz、Tigecycline>Ertapenem+/-VCM
・・有効性はErtapenem+/-VCM>Tigecycline
3)2015Int Working Group Diab Foot
・手法:
・・PubmedとExerpta MedicaのDatabaseを対象。
・・コントロールを持つ全ての研究を対象
・・全ての言語の論文を対象
・・レベル1:RCT、レベル2:Case-control、Cohort、CBA or ITS研究
・・13,365ヶの研究を対象とし40ヶの論文を発見(37ヶRCT、3ヶCohort)
・・全身投与した抗菌薬の研究:14ヶは軟部組織、11は骨髄炎
・結論:
・・抗菌薬によって治療効果に差は無い
・・抗菌薬投与期間:軟部組織:6-27日、軟部組織で経口抗菌薬:14日、軟部組織+骨髄炎:6-28日
・・治癒率:軟部組織:48-90%、軟部組織+骨髄炎:61-94%
・・骨生検で治癒率向上
・・早期外科治療で重篤な四肢切断を減らせる。
・・骨髄炎に外科 vs 長期抗菌薬:RCTが1ヶで違い無し(問題は外科治療の論文は外科医が、抗菌薬治療の論文は内科医が著者)
・・G-CSFの効果は玉石混合
・・高圧酸素療法に有効性無し
・今後の課題:
・・古い研究の価値:抗菌薬の種類、菌の耐性化、医療制度の変化などが今と異なる。
・・常に抗菌薬は静注でなければならないか?(演者は、経口の役割もあると考える)
・・治療効果の判定方法は? いつ感染症が治ったと判定するか?(菌の消滅が適切な目標か?・・演者は違うと、抗菌薬治療の適切な期間は?)
・・どの抗菌薬が良いか不明。オプションは沢山ある。IDSAのガイドライン(2012)
・最終結論:
・・抗菌薬治療に大きな違いは無い。(Tigecyclineは例外的に駄目かも・・)
・・もし抗菌薬に違い無いなら、安くて、スペクトラムの狭いセファロスポリンを使おう
・・骨髄炎に常に手術が必要ではない。