Quantcast
Channel: 感染症診療の原則
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

急性虫垂炎 NEJM

$
0
0
感染症専門なのに、ずーーーと解決仕切れなかった感染症がありました。

急性虫垂炎: 手術 VS 抗菌薬

そこに、それなりの整理を与えてくれたのが今回のNEJMでした。

・AntibioticsFirst戦略の存在は長い事知っていましたが、実際、自分の師匠達からはSurgical diseaseと聴かされていたので・・。
・Classicalには急性虫垂炎でAntibioticsFirstやるのは発症後長期間経過して膿瘍などが出来ている可能性がある場合に限られていました。でも実際は海軍では洋上発症の場合、AntibioticsFirst戦略で上手くいっていたので・・

いくつかのPoint:
1:AntibioticsFirst戦略の研究は欧州発が多い≒比較する対象は開腹手術。これに対して回復が非常に早いLaparoscopyによる手術が米国では主流(単純に欧州の研究結果を使えない)だいたいReal worldではRCTの時のような怖い看護師が見張ってないので抗菌薬の使用もLousyになりやすいかも・・。
2:AntibioticsFirst戦略は痛みの回復、職場復帰では優位。しかし長期間の観察による再発などは精密にFollowされてない(大体、腹痛おきるたびに心配・・)
3:他方、米国でも虫垂炎と診断されている症例の5%強程度しか手術を受けてないが再入院になる例は4%程度。(Surgical diseaseと整理している米国でも実際はAntibioticsFirst戦略使っている)
4:実際、どの抗菌薬を、どの位の期間、なんていう基本的なあたりが不明である。再発したり穿孔したりするRiskも不明
5:虫垂は善玉細菌の隠れ家かも。酷い下痢や抗菌薬使用という攻撃にも善玉細菌は虫垂に隠れる事が可能。そして嵐が通過したらRepopulate可能・・なんていうTheoryもあるのですな・・。

ちなみに虫垂切除症例は偽膜性腸炎多い!!

(写真:宮古島時代の編集長。若い!!)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3238

Trending Articles