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Channel: 感染症診療の原則
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感染症医による「リンゴ病」患者体験記

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感染症に詳しい人は感染症になりにくいのか、という疫学データや介入研究を調べたことがないのですが、ぱきっと有効な対策がないものは、専門家をもおそいます。

青木編集長がリアリティをもって語れる感染症のひとつ、リンゴ病(パルボウィルスB19)。

福知山市民病院の川島先生が先日NHK京都のニュースで語っていましたね)

インタビュアー編集部A(りんご病風貌だがそれはうまれつき)


そもそも何がどうたいへんなんでしょうか

編集長「一番苦しかったのは痛み。関節痛。成人症例での特徴である」

プロなんだからもう少し具体的に記述してください・・

編集長「むっ。・・運ばれた先のS病院でストレッチャーからベッドに自分でうつれなかった」

それはたいへんそうですね・・・腕も足も動かせないということでしょうか

編集長「後に自分のカルテを確認したら、何度も鎮痛剤を欲しがる,と記載があった。両手の指はソーセージ状態だった」

おお わかりやすい。そのソーセージな手の写真がブログ用にほしいです。

編集長「誰もとっていないとおもう」

それは残念。主治医は何をしていたんでしょうか。

編集長「みな困惑していた」

リンゴ病というよりは、患者キャラにでしょうか。せん妄があったとか・・・

編集長「ちがう。そもそもこれは何だろう・・・ということで」

誰が診断したんで?

編集長「きっかけはお見舞いにきたU先生」

お見舞いのドクターですか?なんでまた。



編集長「リウマチの権威であるから。似たような症例をよくご存知だったのだろう。青木君パルボ調べたら、といわれたので、F先生にお伝えしたところすぐ調べてもらって、どんぴしゃりだった」

どんな検査や治療が・・・

編集長「その手前でルンバールはしたな。1回目は若者が担当したが足がしびれて恐怖だったので、かわりにO先生にがやったらすっとはいって・・発熱していたが、さすがF先生は抗菌薬をださなかった。でU先生の言うウイルスの検索をした」

ルンバールを一度で入れてくれた当時のChief resident O先生↓


なるほど。さすがS病院F先生。 入院ライフはいかがでしたか?

編集長「うまれてはじめてインセンを経験した」

陰部洗浄ですか?

編集長「痛みの記憶の中でそのことだけが・・・緩和案件として・・」

あせらずとも、そういう時期はおとずれるかもです・・・

編集長「退院のとき、ナースステーションで御礼を述べたが、そのナースだけがくすっと笑ったように見えたのも心の痛みとして残っている」

「関節炎の診かた」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/gnam/37/2/37_130/_pdf

Yukio Ueno, Hiroshi Umadome, Mutsuro Shimodera, Ikuo Kishimoto, Kozo Ikegaya, Toshiyasu Yamauchi
Human parvovirus B19 and arthritis
The Lancet Volume 341, No. 8855, p1280, 15 May 1993

(タイトル写真:入院直前の編集長とS病院F先生とデニス・マキ先生)

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