若セミ2014 最終回 循環器 香坂先生講演に対するQ&Aです。2015.2.13.
質問者 : 医師 20代
質問内容 : 30分あとの心電図をとる前に、ミオコールなどの処置をして、10分時の心電図
と比較することは有用ですか?
回答:
有用です。ご指摘の通り来院後10~30分というのはACSの初期診療で非常に大事な時間ですので、たとえ心電図変化がなくとも、臨床的に「ザ・ACS」というケースでは、すかさずアスピリンを噛み砕いていただき、ニトへパなども始めていただいてよいかと思います。そうした治療を行う時間も含めての30分ということとなります。
質問者 : 研修医 20代
質問内容 : お世話になります。J点を具体的に教えてください。
よろしくお願いいたします。
回答:
J点とはQRSとQTの間の「変曲点」に当たる部分です。この変曲点とはまさに曲線を微分して0になるという、あの高校受験でつかったあの「変曲点」ですが、日常の感覚としてはQRSからSTに向かって急に曲線のあり方が変わるところと考えていただいて結構です。
質問者 : 研修医
質問内容 : 原稿のガイドラインでST上昇はJ-pointで判断するとなっていると通り、80ms後では上昇の程度を大きく判断してしまうと思います。講義ではJ- pointから80msの間で読むとありましたが、J-pointで読んだ方が良いのではないでしょうか。よろしくお願いします。
回答:
昔は80msecというところでルールが決まっていたのですが、いまはJ-pointそのままで読んでも良いのではないかという考え方が増えてきています。議論が落ち着くにはもう少しかかると思いますが、個人的には「疑わしきは罰する」という路線でSTは読んだほうがよいかと思っています。
質問者 : 医師,神経内科 30台
質問内容 : 向かって去る,の説明は,すごくわかり易かったです!
回答:
ありがとうございます! あれを一回一回の拍動でやっている心臓、本当にお疲れ様ですよね。
質問者 : 記載なし
質問内容 : WPWを疑うポイントを教えてください
回答:
はばが広いQRSだけど、何か脚ブロックとはちがうなぁ というときにWPWを考えます。そうしたときにPQ間隔が非常に狭まっていればもう決まりです。
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 心電図の勉強では、解剖学、生理学で基本を学びますが、臨床的な使い方を学ぶ時間が、学生時代には少なく、研修医時代になっている印象があります。先生は、学生にも研修医にも教えていると思いますが、いつごろから勉強させるのが良いと思われますか。
回答:
そうですね、心電図が読めなくて青ざめる時期が一番良いと思うのですが、やはり救急外来で胸痛や不整脈をみはじめたころではないでしょうか?そういう時期の心電図の勉強は心に染みると思います。
質問者 : 薬剤師
質問内容 : 高齢の女性であればQT延長しやすいと思いますが、このような患者さんにQT延長を起こしうる薬剤を投与する場合、どの程度まで許容されるものでしょうか?
回答:
スライドで述べた基準がそのまま許容範囲になるかと思います。ですので、絶対値で500msec、あるいはベースラインと比較して50-60msec伸びたときということになります。
質問者 : 研修医2年目
質問内容 : 心電図の器械による判読について、QT間隔の判読以外に留意するポイントはありますでしょうか。
回答:
あとは実はSTの上下や心房細動も器械は弱いので、そのあたりは医師の目で確認する必要があるかと思います。一方でPQ間隔やQRS間隔には無類の強さを発揮します。
質問者 : 薬剤師 20代
質問内容 : 某検査機器メーカーが出している携帯心電図計のようなポータブル機器による心電図の解釈はどのようにすれば良いのでしょうか?薬局などでQT延長を見つけるために使用していることもあるのですが、正確性は乏しいのでしょうか?
回答:
これも上記と同様です。QT延長の精度についてはおおよそ70~80%あたりが現実的なところではないでしょうか?
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : さまざまなスコアがでて心房細動に対する抗凝固療法がわかりやすくなりました。75歳以上は自然歴で心房細動が増えてきます。今後、日本でも適応とされる 方が多くなってくると思われます。予防ですから年齢にかかわらず、終生続けるということでしょうが、継続についての先生のお考えは如何でしょうか。
回答:
そうですね これは年齢とともにどんどん塞栓症のリスクはあがっていくことになりますので、終生続けて頂く方が殆どとなるかと思います。
質問者 : 医師,神経内科,30代
質問内容 : 左脚ブロックと右脚ブロックの病的重要性を簡単でいいので教えて頂けますか?
回答:
右脚ブロックに関しては、先天性心疾患が疑われるケースです。つまり右脚ブロックに右房負荷、あるいは極端な右脚ブロックなどのケースです。あとはBrugada波形などでしょうか。単独の右脚ブロックにほとんど病的な意義はありません。
左脚ブロックは、症状を伴う新規発生、心不全例における非同期性の評価などに用いられます。
質問者 : 医師 20代
質問内容 : ありがとうございます。大変勉強になっています。
質問なのですが、先生はAfでCHADS2スコアは何点から抗凝固療法を開始していますか。
回答:
1点から開始していますが、悩む場合はCHADS-VASCで計算しなおしています。
タイトル写真:香坂先生、相野田先生と@テレビ朝日スタジオ
質問者 : 医師 20代
質問内容 : 30分あとの心電図をとる前に、ミオコールなどの処置をして、10分時の心電図
と比較することは有用ですか?
回答:
有用です。ご指摘の通り来院後10~30分というのはACSの初期診療で非常に大事な時間ですので、たとえ心電図変化がなくとも、臨床的に「ザ・ACS」というケースでは、すかさずアスピリンを噛み砕いていただき、ニトへパなども始めていただいてよいかと思います。そうした治療を行う時間も含めての30分ということとなります。
質問者 : 研修医 20代
質問内容 : お世話になります。J点を具体的に教えてください。
よろしくお願いいたします。
回答:
J点とはQRSとQTの間の「変曲点」に当たる部分です。この変曲点とはまさに曲線を微分して0になるという、あの高校受験でつかったあの「変曲点」ですが、日常の感覚としてはQRSからSTに向かって急に曲線のあり方が変わるところと考えていただいて結構です。
質問者 : 研修医
質問内容 : 原稿のガイドラインでST上昇はJ-pointで判断するとなっていると通り、80ms後では上昇の程度を大きく判断してしまうと思います。講義ではJ- pointから80msの間で読むとありましたが、J-pointで読んだ方が良いのではないでしょうか。よろしくお願いします。
回答:
昔は80msecというところでルールが決まっていたのですが、いまはJ-pointそのままで読んでも良いのではないかという考え方が増えてきています。議論が落ち着くにはもう少しかかると思いますが、個人的には「疑わしきは罰する」という路線でSTは読んだほうがよいかと思っています。
質問者 : 医師,神経内科 30台
質問内容 : 向かって去る,の説明は,すごくわかり易かったです!
回答:
ありがとうございます! あれを一回一回の拍動でやっている心臓、本当にお疲れ様ですよね。
質問者 : 記載なし
質問内容 : WPWを疑うポイントを教えてください
回答:
はばが広いQRSだけど、何か脚ブロックとはちがうなぁ というときにWPWを考えます。そうしたときにPQ間隔が非常に狭まっていればもう決まりです。
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 心電図の勉強では、解剖学、生理学で基本を学びますが、臨床的な使い方を学ぶ時間が、学生時代には少なく、研修医時代になっている印象があります。先生は、学生にも研修医にも教えていると思いますが、いつごろから勉強させるのが良いと思われますか。
回答:
そうですね、心電図が読めなくて青ざめる時期が一番良いと思うのですが、やはり救急外来で胸痛や不整脈をみはじめたころではないでしょうか?そういう時期の心電図の勉強は心に染みると思います。
質問者 : 薬剤師
質問内容 : 高齢の女性であればQT延長しやすいと思いますが、このような患者さんにQT延長を起こしうる薬剤を投与する場合、どの程度まで許容されるものでしょうか?
回答:
スライドで述べた基準がそのまま許容範囲になるかと思います。ですので、絶対値で500msec、あるいはベースラインと比較して50-60msec伸びたときということになります。
質問者 : 研修医2年目
質問内容 : 心電図の器械による判読について、QT間隔の判読以外に留意するポイントはありますでしょうか。
回答:
あとは実はSTの上下や心房細動も器械は弱いので、そのあたりは医師の目で確認する必要があるかと思います。一方でPQ間隔やQRS間隔には無類の強さを発揮します。
質問者 : 薬剤師 20代
質問内容 : 某検査機器メーカーが出している携帯心電図計のようなポータブル機器による心電図の解釈はどのようにすれば良いのでしょうか?薬局などでQT延長を見つけるために使用していることもあるのですが、正確性は乏しいのでしょうか?
回答:
これも上記と同様です。QT延長の精度についてはおおよそ70~80%あたりが現実的なところではないでしょうか?
質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : さまざまなスコアがでて心房細動に対する抗凝固療法がわかりやすくなりました。75歳以上は自然歴で心房細動が増えてきます。今後、日本でも適応とされる 方が多くなってくると思われます。予防ですから年齢にかかわらず、終生続けるということでしょうが、継続についての先生のお考えは如何でしょうか。
回答:
そうですね これは年齢とともにどんどん塞栓症のリスクはあがっていくことになりますので、終生続けて頂く方が殆どとなるかと思います。
質問者 : 医師,神経内科,30代
質問内容 : 左脚ブロックと右脚ブロックの病的重要性を簡単でいいので教えて頂けますか?
回答:
右脚ブロックに関しては、先天性心疾患が疑われるケースです。つまり右脚ブロックに右房負荷、あるいは極端な右脚ブロックなどのケースです。あとはBrugada波形などでしょうか。単独の右脚ブロックにほとんど病的な意義はありません。
左脚ブロックは、症状を伴う新規発生、心不全例における非同期性の評価などに用いられます。
質問者 : 医師 20代
質問内容 : ありがとうございます。大変勉強になっています。
質問なのですが、先生はAfでCHADS2スコアは何点から抗凝固療法を開始していますか。
回答:
1点から開始していますが、悩む場合はCHADS-VASCで計算しなおしています。
タイトル写真:香坂先生、相野田先生と@テレビ朝日スタジオ