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2014年12月12日 若手医師セミナー 金城先生/市中肺炎 Q&A

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2014年12月12日開催 第8回 若手医師セミナー 金城先生/市中肺炎 Q&A

①質問者 : 内科医
質問内容 : よく、「脱水で浸潤影が認められないのでその後輸液をして陰影が出現した」という話題を聞きますが、これは本当でしょうか?
早期に診断して後で炎症反応の結果浸潤影が出現するならわかるのですが。
先生はいかがお考えでしょうか。

回答:以前から脱水状態にあると肺の浸潤影が出にくいため、レントゲンで初期診断がしにくいと教えられてきました。しかしこれをはっきりと支持するエビデンスは乏しいようです。犬を使ったモデルでは肺炎像がレントゲン上・組織上で出現するか否かに、脱水状態は影響しなかったそうです(Caldwell A, Glauser FL, Smith WR, et al: The effects of dehydration on the radiologic and pathologic appearance of experimental canine segmental pneumonia. Am Rev Respir Dis 112:651, 1975)セミナー中にも申し上げましたが、補液で陰影が出たのか、補液と無関係に初期には見られなかった陰影が時間経過で顕在化したのか、実証はむずかしいところと思います。

②質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : A-DROP
CRB65も有用ですが、入院の判断として、実際には病院の空床具合、認知症の程度、家族の受け入れ、独居かどうかの占める割合が多いように思います。肺炎治療のメルクマールとして酸素化を使いますが、呼吸数と酸素飽和度の関係が大切と思います。呼吸数30回/分としたら、酸素投与が必要で入院を要する酸素飽和度の目安はありますでしょうか。

回答:重症度スコアはPSIもCURB65を使っても、最終的にはご指摘通り患者を取り巻く環境を加味して入院適否の判断をすべきと思います。また、空床状況により入院の閾値が変化するのもやむを得ないところと思います。
セミナー中にも申し上げましたが酸素飽和度と呼吸数は意味するところが異なるので酸素飽和度が大丈夫だから呼吸数は不要と考えないほうがいいと思っています。酸素飽和度が98%であっても呼吸数が40回ということは経験しますので、両者は独立して評価したほうがよいと思います。

③質問者 : 医師 内科 50代 
質問内容 : 診療所で外来治療する肺炎はCTを撮ることはありませんが、病院では最初から胸部CTを撮ることが多いように思います。閉塞性肺炎や肺膿瘍の除外は大事だと思いますが、治療の反応を見てからでもよいように思います。早期のCT撮影のポイント、またフォローアップとしてのCTの必要性についてご教示をお願いします。

回答:全身状態が比較的良好であり、胸部レントゲン上、肺化膿症や閉塞性肺炎を示唆する所見(例えば空洞病変やリンパ節腫脹、縦隔拡大など)がない場合にはCTは不要と思います。抗菌薬を開始して明らかにどんどん悪くなっている場合には市中肺炎の初期診断が間違っていた可能性や、肺化膿症や膿胸を併発した市中肺炎などを考慮してCTを施行するのがよいと考えています。

④質問者 : 医師 一般内科 50代
質問内容 : 胸部X線上、浸潤陰影で発症した結核性の急性肺炎を数例経験しました。再興感染症として、鑑別上、無視できないのではないでしょうか?

回答:重要なご指摘と思います。免疫抑制状態や医療従事者などでは特に結核は外せないと思います。経験的にキノロンで治療するのが危険な理由はここにあります。

⑤質問者 : 内科医師 光が丘
質問内容 : 先程の回答ありがとうございました。
横隔膜より下をみるポイントはありますか?どうしても陰影が重なっていて見るのが難しいなと思いますが、何か気をつける点があればお願いします。

回答:側面像で横隔膜を前から後ろになぞるように追うこと、正面像で横隔膜と重なっている領域は血管の走行を追うようにする。身体所見で下肺野でクラックルが聞こえた場合には特に目を凝らして写真をみるようにしています。

⑥質問者 : 研修医2年目
質問内容 : Xpが正常化するのは遅れるといいますが、入院後、胸部Xpはどれくらいの間隔・タイミングでとられますでしょうか

回答:入院中にレントゲンをフォローすることは原則ないでしょう。というくらい正常化するのが遅れるからです。
入院中フォローするとしたら肺化膿症・膿胸・ARDSの併発を疑うような、入院後あきらかに悪化している場合です。また市中肺炎という診断で入院したが、初期診断が間違っていた可能性を検討する場合にもフォローすると思います。
高齢者や喫煙者では4~6週間後にレントゲンをフォローして肺がんに併発した閉塞性肺炎でなかったかどうかをチェックします。

⑦質問者 : 研修医
質問内容 : 当院ではブロンコで気管支の分岐を確認してBAL施行しているのですが、CTがないと気管の分岐がわからないと思うのですが、どうしたらいいのでしょうか。

回答:BALを施行する状況は一般的市中肺炎では稀と思います。
免疫抑制患者では一般的な市中肺炎の原因菌以外の菌、非感染性の肺病変など鑑別診断が幅広いため、CTの画像所見とBALの情報を組み合わせて診断する必要が多いと思います。

⑧質問者 : 40代 救急医
質問内容 : 結核の多い地域で働いています。
結核ではレントゲン、CTはあらゆるパターンを取りうるとの話もききます。
すべての肺炎で結核を疑い、入院時に抗酸菌染色、陰圧隔離、など必要でしょうか?
当院呼吸器内科では、ほぼすべての肺炎で3連痰を出しています。

回答:すべての肺炎患者を隔離すれば、他の患者や医療従事者への感染は防止できますが、隔離によるデメリットもあります。隔離室は医療従事者の目が届きにくかったり、非結核性抗酸菌の問題に悩まされることになります。
中部病院では年齢、リスク(免疫不全)、経過、画像所見などを組み合わせて判断しています。

⑨質問者 : 薬剤師 20代
質問内容 : 肺炎の診療におきまして画像でも見逃すことがあるとのことでしたが、画像と肺の聴診を組み合わせたり、打診を組み合わせたりした場合は見逃しは減るのでしょうか?

回答:横隔膜の下のようなレントゲンでみにくい場所については、聴診でクラックルが明確に聞こえていればレントゲンをじっくり吟味するようにします。レントゲンを単独でみるのではなく、身体所見を組み合わせると見逃しは少なくなると思います。

⑩質問者 : 循環器内科 45歳
質問内容 : 結核の除外が難しいです。寝たきりで痰がしっかり取れず、染色・培養も含めて分からず。入院後時間が経って分かるというイタイ事が少なからずありますが隔離・胃液などどう考えたらいいでしょう?

回答:上記質問とも重なりますが、寝たきりで状態のもともと悪い患者層では結核は重要な鑑別であっても喀痰が取れないことも多く、診断は容易ではないです。入院時に隔離するか否かは別にしてもしっかり喀痰もしくは胃液の抗酸菌培養を提出しておくことが早期診断に寄与すると思います。

⑪質問者 : 内科医師
質問内容 : グラム染色で肺炎球菌、同じタイミングでMRSAのみ検出というのは、「肺炎球菌が早期に死滅してしまったことによるもの」と思うでいいのでしょうか。
よく週末に培養を提出した場合に、肺炎球菌はもう生えてこないということは知っているのですが、それ以外市中肺炎の菌に関してはいかがでしょうか?

回答:すでに抗菌薬が投与された状態で喀痰培養を提出すると肺炎球菌の培養陽性率は落ちると思います。肺炎球菌以外の菌についても同様ですが、検出率の低下の度合いはそれほどではないようです。ただし陽性になったからといっても、咽頭や上気道のコンタミネーションとの区別は難しいので、グラム染色の所見と相関して考えたほうがよいと思います。

⑫質問者 : 医師 内科 30代
質問内容 : 大変勉強になる講義ありがとうございます。
嫌気性肺炎の実証は難しいとおもれますが、最初から嫌気性菌をカバーする必要はあるのか。気道・呼吸器は空気・酸素の出入りが比較的多い環境下で“最初から”嫌気性菌が起因菌となりうることがあるかのかということです。好気性菌の肺炎の後に嫌気化した後であれば大いに考慮すべきともおもいますが。そのタイミングも即日かもしれませんが。
膿胸や無気肺様病変を除いての話です。口腔内常在菌程度の嫌気性菌であれば、ABPC/SBTなど嫌気性を意識した抗生剤でなくともCTRXでも十分カバーできるのではと考えています。肺炎の初期治療でABPC/SBTとCTRXのどちらが良いかでよく議論になり、その差異をイマイチ提示できていない現状なので。

回答:誤嚥性肺炎といっても幅広いスペクトラムがあると考えています。大量の誤嚥後にくるARDS(いわゆるメンデルソン症候群)のような急性のものから、う歯の多いアルコール依存症患者が呼吸器症状に乏しくて体重減少を主訴とする肺化膿症のような慢性の経過まであります。嫌気性菌をぜひともカバーしなければならないのは後者であり、前者は化学的肺炎の要素が強く抗菌薬の貢献度はそれほどおおきくないかもしれませんが患者が重症すぎて抗菌薬なしで見るのがむずかしいです。介護施設からくるもともとの状態がよろしくない患者の肺炎はすぐに「誤嚥性肺炎」とレッテルを貼られますが、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌による肺炎も多いので、セフトリアキソンでも適切な選択な場合が多いと思います。また、食後に一過性に呼吸状態が悪くなる、熱が出る寝たきりの意識の悪い患者では吸痰をするだけで抗菌薬なしでも改善することをよく経験します。


⑬質問者 : 一般内科 40代
質問内容 : Gramの有効性がいまひとつつかめません。
UTI、呼吸器、皮膚は全例Gramを染め、入院中も3日に一度は染めていますが、やはりわからない。
そもそも年寄りは痰など出ませんし(尿は簡単ですが)血培で引っかかるほど重症になってから入院させるようでは老健の管理などできません。
たとえば病理では胃生検でも最低1000例見ないと「見えない」と教育されました。
われわれ市中の田舎一般内科医がGramをどこまで利用できるのでしょうか。
やはり私に力がないからなのか、近頃よく目にする意識の高い若手の先生方のおっしゃるGramの重要性が実感できないのです。

回答:グラム染色はある程度の熟練が必要なのは確かです。単純に青いか、赤いか。球か桿か。これだけでも情報量としては多いと思います。連鎖なのか数珠状なのかとか、サイズがすこし小さめか等は経験数が必要になり、さらに稀な菌を見分けるには熟練、といった段階でしょうか。
ご質問の趣旨は、グラム染色が実際の臨床上のマネージメントに有用か否かという点と理解しました。たしかに老健施設のような状態のよろしくない患者さんは訴えがない・はっきりしない場合に感染症の早期発見は容易ではないです。ですからルーチンにスクリーニングとしてグラム染色をすれば早期発見になるとのお考えから上記のような対応をされておられるのでしょうか。スクリーニングとしてのグラム染色の有用性を検討した研究は私自身、知らないです。
スクリーニング検査としてではなく、症状がある患者でのグラム染色の情報は原因菌を特定するのに有用と考えています。

⑭質問者 : 内科医師
質問内容 : 耐性菌特にMRSAのカバーをどの範囲で行うかがいつも話題になります。
組み合わせとしてPIPC/TAZ+VCM+AZMをよく見ます。Gram stain でGPCが認められない場合先生はいかがお考えでしょうか。

回答:良質の痰がとれてブドウ状のグラム陽性球菌がいなければMRSAが市中肺炎の原因菌になることは少ないので不要と考えます。PIPC/TAZも市中肺炎のカバーとしては緑膿菌や嫌気性菌を念頭に置いている選択ですので、気管支拡張症があるような場合を除き広すぎると思います。



⑮質問者 : 内科医師
質問内容 : 日本における肺炎診療でのキノロンの立ち位置はどのようにお考えでしょうか?英国よりな印象を感じます。

回答:経口で1日1回投与ですので非常に使いやすいですが、外来でフォロー可能な軽症患者では非定型のカバーを最初からしなくてもよい、肺炎球菌をしっかりペニシリン・セフェム系でカバーする。
呼吸器キノロンは入院適応があるが、ベッドが満床とか、患者側の都合で入院できない場合に考慮します。しかしこうした状況でも外来でセフトリアキソンを1回静注してから帰宅にしています。そうすれば翌日まで効いているので経口抗菌薬は不要で、毎日外来に通院してもらいながら肺炎治療をする場合もあります。

⑯質問者 : 一般小児科医 30代
質問内容 : 抗生剤を処方する症例すべてにおいて、痰培養(小児であれば咽頭培養)を提出するわけにはいかないと思います。
しかし、ローカルファクターを知るうえで、ある程度の症例において、培養検査をする必要があるとは思うのですが、どのようにしてその症例を抽出すればよいでしょうか。

回答:米国や欧州の肺炎の起因菌のデータも多くが入院症例です。外来症例と入院症例と差がないというデータもありますが、やはり多忙な外来では培養を提出せずに経験的治療してしまう状況があると思います。重症だけ培養すると、選択バイアスになります。重症な肺炎を起こしやすい菌の情報は得られますが、肺炎の全体像を反映しないわけです。
全例提出するのはサーベイランスであって、個々の症例のケアに直接益するというよりは公衆衛生上の意義のほうが大きいでしょう。クリニックのような培養提出件数が病院ほど多くない状況で培養を提出する意義は、個々の患者の培養情報がその患者の診療に役立つことです。過去にインフルエンザ桿菌でBLNARが検出された患者には、今回の肺炎の経験的治療には耐性を意識した診療になるでしょう。

⑰質問者 : 医師 内科 50代
質問内容 : 院内感染のローカルファクターは、地域差があるのはわかりますが、市中感染で地域差が出るのはなぜでしょうか。また、地域差はどのくらいの範囲ででてくるのでしょうか。市中肺炎の原因菌として、H.infはBLNARの割合があると思いますが、市中の肺炎球菌やモラキセラなどでも地域差は実際にあるのでしょうか。

回答:地域差として都道府県レベルや地方レベルでの差を検討したデータはないのではないかと思います。そもそも県や地方を代表する「定点」をどこに設定するかのほうが大きな影響があります。救急病院なのか、特定機能病院なのか、といった医療施設の特性のほうがローカルファクターを決定する要因として大きいでしょう。
肺炎球菌についてはPRSPの定義が変更になったため、髄膜炎以外ではペニシリンやセフェム系感受性あり(PSSP)が大半を占めているでしょう。H fluやモラクセラについてはおそらく地域差があるのでしょうが、データはないと思います。

⑱質問者 : 研修医2年
質問内容 : 当院では救急外来でグラム染色ができないのですが、どうしたらいいでしょうか。

回答:できない理由はどこらへんにあるのでしょうか?検査室でできるのでしょうか。それとも細菌検査が外注になっているのでしょうか。
できない状況を受け入れざるをえないとすると厳しいものがありますね。すべて経験的治療になるとすると非定型も含めて広くカバーしなければならないプレッシャーが高いです。ただし外来でフォロー可能な軽症例ではペニシリン系・セフェム系でも失敗する率はそれほど高くないでしょう。

⑲質問者 : 医師 循環器内科 30代
質問内容 : septic liverというのは教科書や論文でしっかり定義された病態でしょうか。

回答:敗血症にともなう肝機能異常という意味で使いましたが、学術的に定義されていない言葉ですので、失礼しました。

⑳質問者 : 内科医師
質問内容 : 肺炎には細菌と免疫応答が重要かと思いますが、ステロイドに関してはどうお考えでしょうか?
もちろん、まだエビデンスはないかとは思いますが、先生方のお考えを聞かせて頂ければと思います。 

回答:重症市中肺炎を中心にステロイドが検討された研究が複数あります。結果をまとめたCochraneレビュー(Corticosteroids for pneumonia Yuanjing Chen, Ka Li, Hongshan Pu, Taixiang Wu, Published Online: 16 MAR 2011)では、治癒過程を多少短くするかもしれない程度のベネフィットとしています。ただし高血糖など副作用が多く現時点では推奨できないと考えます。


㉑質問者 : 医師 老人内科 40代
質問内容 : 過去から最新の文献まで、歴史的な流れを把握でき、とても勉強になりました。
すでに、全国的にインフルエンザの流行に入りましが、高齢者のインフルエンザに合併しやすい肺炎とその治療について、少し教えていただければ幸いです。

回答:肺炎球菌と黄色ブドウ球菌がインフルエンザ後の肺炎として有名です。インフルエンザ自体でも重症化してARDSを引き起こすこともあり、新型インフルエンザの年に話題になりました。
痰グラム染色で房状のグラム陽性球菌が見えた場合にはセファゾリン、MRSAを考える場合にはバンコマイシンを投与、見えなければ肺炎球菌を中心にペニシリン・セフェム系で治療しますが、超重症なら非定型カバーも追加すると思います。

㉒質問者 : 内科医師
質問内容 : ウイルス性肺炎が多いということですが、浸潤影が明確かつ喀痰多い肺炎においても、ウイルス性肺炎と診断できますか?
ウイルス性肺炎の特徴などありましたら、教えて頂ければ幸いです。

回答:鼻水や咽頭痛、頭痛などの上気道炎症状が伴っていればウイルス性肺炎の可能性を考えますが、絶対的に細菌性とウイルス性を鑑別する方法はないと思います。画像上の所見で気管支透亮像Air bronchogramを伴う浸潤影Consolidationなら細菌性をやや示唆するといったところもありますが、画像で言い切れるわけでもないです。

㉓質問者 : 30代小児科医
質問内容 : プロカルシトニンはCRPに代わるマーカーということになるのでしょうか。

回答:CRPよりも抗菌薬を投与しなくてもよい患者の同定に使えるというエビデンスが出ています。わたし個人はプロカルシトニンの切れ味は体感していないのでなんとも言えません。ただしプロカルシトニン単独のみで臨床判断を下すのは危険と思います。現時点では講演で紹介したPSIやCURB65を利用して重症度を判断したほうがよりよいと思います。

㉔質問者 : 医師 呼吸器内科 50歳台
質問内容 : 最後から2枚目の原則の文献を教えてください。

回答:経験的治療の落とし穴でしょうか?
Observations on Spiraling Empiricism: Its Causes, Allure, and Perils, with Particular Reference to Antibiotic Therapy
Kim JH Gallis HA Am J Med 1989; 87: 201

㉖質問者 : 医師 精神科 50代
質問内容 : 単科精神科の病院です。市中肺炎や誤嚥性肺炎が多い状態です。肺炎に対してエンピリック治療として当院でよくPIPCをファーストチョイスに使われる先生が多いのですが・・・アドバイスがあればお願いします。

回答:患者背景にもよると思いますが、ピペラシリンは緑膿菌をカバーできるペニシリン系抗菌薬であり、頻回に抗菌薬を投与されていて緑膿菌が気道に居着いてしまっている状況でもないかぎり緑膿菌肺炎は多くないと考えます。より多いのは、たとえ長期に入院されている患者であっても肺炎球菌や口腔内常在菌、喫煙者であればインフルエンザ桿菌やモラクセラ、ときにクレブシエラを考えて対処するとよいと考えています。

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