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Channel: 感染症診療の原則
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ナイジェリア:都市部から別の都市へのエボラ症例の広がり

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昨日、英国のRoyal Free Hospital病院に入院していた29歳の看護師が退院しました。エボラ対策の医療支援活動中に感染しています。

昨年お会いしたJacobs先生のコメントら患者さんのコメントがBBCニュースに掲載されています。

アトランタのエモリー大学病院に入院をした医師と看護師も無事退院しています。

初期に必要なケアを受けることの重要性は、現在マウスやサルで研究されている治療薬のデータを見てもわかります。

WHO職員の場合はハンブルグとジュネーブの病院に搬送する契約があるそうですが、その他の場合は本国がチャーター機や軍隊の飛行機にアイソレーター(隔離機能つきのベッド)を載せて迎えに行ってます。

昨年来日して講義をしてくださったJacobs先生の病院は、クリミア・コンゴやラッサ症例でも搬送受け入れ経験があります。

流行地にはこの支援活動だけでなくアジアからも労働者はじめ滞在している人がいますので、各国ともに緊急時の対応は考えているのではないかと思います。

それは国レベルのお話なので直接現場の医療者には関係がありませんが、今後もおこる感染症の危機管理として考えたり対策を見直したり勉強を皆でしなおすのは意味があります。

どんどん報告数が増える西アフリカの状況にニュースは偏りがちですが、ナイジェリアの状況と対策は、海外からもちこまれるかもしれないことへの対策をとっている国にとって参考になる要素が多いように思います。


9月1日ナイジェリア保健省発表
Updated Summary of EVD Status of Nigeria, by Minister of Health‏ as at Sept. 1 2014

9月1日の時点ではナイジェリア国内で把握された検査確定症例は17(index caseを含む)。
このうち、ラゴスでの症例は14。7例が回復して退院。5例が死亡。2例が隔離入院中。


ナイジェリアでのエボラ確定症例は19になっていますが、もともとは体調の悪い状態の感染者が飛行機で移動してラゴスという一番の商業都市の空港でクラッシュし、ラゴスの大学病院に搬送されました。
空港や医療機関でこの患者の救命にあたった医療者等が感染しました。
さらに家族などその周囲にも感染が広がっています。

9月3日 ラゴスの症例と疫学的リンクのある症例

ナイジェリア南部のPort Harcourtのindex caseは、ラゴスの空港に7/20に入った症例と接触のある人でした。

9月3日の時点で3例Port Harcourtで確定例が把握されています。


inedx症例はラゴスに滞在するように言われていましたが、Port Harcourtに移動をしてしまいました
そして、8/1-3とホテルで治療を受けました。

この人の治療に当たった医師が8/11に発症し、体調不良のまま13日まで診療を続けその後自宅療養。
16日に入院となり22日に死亡しています。
この死亡した医師がエボラウイルスに感染していたことが確定したのは27日(ラゴスの大学病院で)です。


この医師が入院前にも地域のたくさんの人と接触をしています。

彼が所属していた教会の人がhands-on healing ritualをしています(具体的には何かわかりませんが接触をしていることはわかます。

その後、積極的な疫学調査をして、妻と、この症例と同じ病院で治療を受けた患者が確定例となっています(9月1日の時点で合計3例)

その後、接触者の検査が行われ、200人が健康観察を行っており、うち60例が「ハイリスク」カテゴリーの曝露があったとのことです。

ナイジェリア政府はEbola emergency operations centerを設置、隔離ベッドが26床、接触者調査のために21チームを編成。
この緊急センターは米国CDCがサポートしています。

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