中1年高3年相当を対象に行われている、3期と4期のMRワクチン接種が無料なのは3月31日までです。
お知り合いに対象者がいたら、忘れないようにぜひ声をかけてあげてください。
1月20日のMMWRには麻疹のアウトブレイク事例が紹介されていました。
排除宣言がなされている国では、若い医療者が麻疹症例を見慣れていないために診察の際に考えることが難しいことがあるそうです。
麻疹の潜伏期間は7-18日。発疹の出る4日前から他の人に感染させるリスクがあります(発疹から4日後まで)。
診断された時点ではすでに2次感染のリスクは発生しており、この時点からとる対策は3次感染予防になります。
感受性者(免疫がない人)を減らすのが対策。ということで、M(M)Rワクチン接種率の向上が目標になります。
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Hospital-Associated Measles Outbreak ― Pennsylvania, March–April 2009
January 20, 2012 / 61(02);30-32
米国では麻疹の地域レベルでの流行はくいとめられているものの、外部からのもちこみ症例が続いています。
2009年3月28日に、臨床医がペンシルバニア州の保健部門(PADOH)に、ワクチン未接種のこどもの麻疹症例を1例報告しました。
そこから5日間、さらに4例の麻疹症例が報告されました。
この5例とも、3月10日に同じ病院の救急部門を受診しており、5例のうち1例は救急部門で働く医師でした。
感染拡大の発端となった症例をさがすために、PADOHは3月10日の医療記録について、発熱と発疹で受診した症例を見直しました。
この過程で、最近インドから米国に着いた子どもの症例がみつかりました。
この症例は、ウイルス性発疹と診断・治療され退院。
4月3日に、PADOHはこの子どもの血液検査を行い、このとき麻疹であったことが確認されました。
この6例と接触のあった4000人の調査を実施しましたが、さらなる麻疹症例は把握されませんでした。
病院は、麻疹の免疫のない職人が症例に曝露していないか健康記録をもとに見直したところ、
6例と接触のあった168人の職員のうち、72例(43%)には麻疹の免疫のを証明する記録がなかったため、血液検査とワクチン接種が行われました。
今回の麻疹アウトブレイクは、医療機関で麻疹が広がりうる可能性を示しています。
このような拡大を防ぐためには、医療者は麻疹の兆候や症状について知識をもち、渡航歴をたずね、感染の疑いのある患者を隔離する必要があります。
医療機関で働く職員は麻疹の免疫の証拠書類が必要であり、それがない場合にはACIPとHICPACの推奨にしたがいワクチン接種が提供されるべきです。
患者A:23か月児 3月23日に39.2度の発熱、咳症状等でED受診 (ワクチン未接種)
患者B: 患者Aの兄 4歳 3月23日には熱や咳症状と発疹 (ワクチン未接種)
患者C:患者ABの父親 3月26日から同様の症状 (子どもの頃1回だけ接種)
※発症日がほぼ一緒のため同一感染源曝露が考えられた
※両親の考えで子どもらは予防接種をうけていない
患者D:病院の医師 3月26日に発熱と発疹(ワクチン接種あり)
患者E:患者D(医師)のこども 11か月児 3月27日に発熱。
病院が3月10に発熱や発疹を主訴に、渡航歴のある患者の受診記録を見直したところ、今回の感染の発端と考えられた患者Fがみつかりました。
患者F:10歳、ワクチン歴不明。3月8日にインドからペンシルバニアに移動。症状は3月7日から発熱、9日から発疹が出て、3月10日にEDを受診。
小児科の診察室で診察を受け、川崎病ではないかとうたがわれました。
EDの診察エリアが隔離の施設構造ではなかったため、患者AとEとは、同じ空間で4時間の接点がありました。
接触者調査は地域と、感染性のある時期に同じ飛行機に同乗した搭乗客へのアナウンスを含めて行われました(飛行機同乗者に2次感染例無し)。
また、州のヘルスアラートネットワークによって、地域の医療者への麻疹症例についての警告がなされ、また麻疹症例がいた場所や乗ったバスルートなどについての情報公開が行われました。
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米国の麻疹の状況;昨年5月のMMWR「Measles --- United States, January--May 20, 2011」
お知り合いに対象者がいたら、忘れないようにぜひ声をかけてあげてください。
1月20日のMMWRには麻疹のアウトブレイク事例が紹介されていました。
排除宣言がなされている国では、若い医療者が麻疹症例を見慣れていないために診察の際に考えることが難しいことがあるそうです。
麻疹の潜伏期間は7-18日。発疹の出る4日前から他の人に感染させるリスクがあります(発疹から4日後まで)。
診断された時点ではすでに2次感染のリスクは発生しており、この時点からとる対策は3次感染予防になります。
感受性者(免疫がない人)を減らすのが対策。ということで、M(M)Rワクチン接種率の向上が目標になります。
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Hospital-Associated Measles Outbreak ― Pennsylvania, March–April 2009
January 20, 2012 / 61(02);30-32
米国では麻疹の地域レベルでの流行はくいとめられているものの、外部からのもちこみ症例が続いています。
2009年3月28日に、臨床医がペンシルバニア州の保健部門(PADOH)に、ワクチン未接種のこどもの麻疹症例を1例報告しました。
そこから5日間、さらに4例の麻疹症例が報告されました。
この5例とも、3月10日に同じ病院の救急部門を受診しており、5例のうち1例は救急部門で働く医師でした。
感染拡大の発端となった症例をさがすために、PADOHは3月10日の医療記録について、発熱と発疹で受診した症例を見直しました。
この過程で、最近インドから米国に着いた子どもの症例がみつかりました。
この症例は、ウイルス性発疹と診断・治療され退院。
4月3日に、PADOHはこの子どもの血液検査を行い、このとき麻疹であったことが確認されました。
この6例と接触のあった4000人の調査を実施しましたが、さらなる麻疹症例は把握されませんでした。
病院は、麻疹の免疫のない職人が症例に曝露していないか健康記録をもとに見直したところ、
6例と接触のあった168人の職員のうち、72例(43%)には麻疹の免疫のを証明する記録がなかったため、血液検査とワクチン接種が行われました。
今回の麻疹アウトブレイクは、医療機関で麻疹が広がりうる可能性を示しています。
このような拡大を防ぐためには、医療者は麻疹の兆候や症状について知識をもち、渡航歴をたずね、感染の疑いのある患者を隔離する必要があります。
医療機関で働く職員は麻疹の免疫の証拠書類が必要であり、それがない場合にはACIPとHICPACの推奨にしたがいワクチン接種が提供されるべきです。
患者A:23か月児 3月23日に39.2度の発熱、咳症状等でED受診 (ワクチン未接種)
患者B: 患者Aの兄 4歳 3月23日には熱や咳症状と発疹 (ワクチン未接種)
患者C:患者ABの父親 3月26日から同様の症状 (子どもの頃1回だけ接種)
※発症日がほぼ一緒のため同一感染源曝露が考えられた
※両親の考えで子どもらは予防接種をうけていない
患者D:病院の医師 3月26日に発熱と発疹(ワクチン接種あり)
患者E:患者D(医師)のこども 11か月児 3月27日に発熱。
病院が3月10に発熱や発疹を主訴に、渡航歴のある患者の受診記録を見直したところ、今回の感染の発端と考えられた患者Fがみつかりました。
患者F:10歳、ワクチン歴不明。3月8日にインドからペンシルバニアに移動。症状は3月7日から発熱、9日から発疹が出て、3月10日にEDを受診。
小児科の診察室で診察を受け、川崎病ではないかとうたがわれました。
EDの診察エリアが隔離の施設構造ではなかったため、患者AとEとは、同じ空間で4時間の接点がありました。
接触者調査は地域と、感染性のある時期に同じ飛行機に同乗した搭乗客へのアナウンスを含めて行われました(飛行機同乗者に2次感染例無し)。
また、州のヘルスアラートネットワークによって、地域の医療者への麻疹症例についての警告がなされ、また麻疹症例がいた場所や乗ったバスルートなどについての情報公開が行われました。
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米国の麻疹の状況;昨年5月のMMWR「Measles --- United States, January--May 20, 2011」