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Channel: 感染症診療の原則
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ロタウイルス ワクチンと公費補助

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今朝のニュースに「名古屋市がロタウイルスワクチンを公費補助へ」という情報がありました。
NHKでは河村市長がインタビューに答え、親の経済力で子どもに差がでちゃいけないよね、的お話をしていました。

あまり詳しくない人がみたら、これは確定したことのように思うのではないかと思います。

47ニュースによると、半額助成の「方針を固め」、1億5千万円を見込み、市長が「2月に議会に提案をする」そうです。
ということは、現時点では確定ではないということです(よほどの反対がなければ通るのでしょうけれど)。
ですから、名古屋市のHP 任意ワクチンのページ(最終更新 2011年4月8日)
にも情報がないですし、名古屋市のHP 報道発表資料も、発表資料はありませんし、市議会のところにも情報はありません。

いずれにしても、こういうかたちでメディアに流れると(よくも悪くも)「既成事実化」になるんじゃないか。

予防接種の適正使用や信頼について考えさせられる朝でした。

ところで、名古屋市は、水痘ワクチン、ムンプスワクチンも約半額の補助が出ており、子育て支援には力をいれている自治体であります。
ロタワクチンの補助は先に栃木県の大田原市が決めてます(水痘・ムンプスの補助をしてませんが)。
世界はどうか。WHOのページに詳細があります。
Decision making and Implementation of Rotavirus Vaccines

2010年、国の予防接種プログラムにロタウイルスワクチンを位置づけているのは28ヶ国(15%)。承認そのものはこれより多いですが、国のプログラムには入っていないということです。
地図をみると、ヨーロッパがまだそこまで決まっていないという状況でしょうか。
黄色はGAVIが途上国支援としてワクチンを導入する国です。


こちらは接種率の図です(2010年)。メキシコや、ブラジル、オーストラリアは80%以上となっています。


米国はスケジュールに入っていますが、カナダは入っていません。National Advisory Committee on Immunization (NACI)が定期的に検討をしています。

オーストラリアのスケジュールに入っていますが、ニュージーランドは取り入れてないので、ニュージーランドでの議論を確認しましたが、経済的な分析が必要であり、その他のこととの優先順位を検討する必要がある、とありました。

ニュージーランドの予防接種スケジュールにはまだありません。
ちなみに、6週から「6種混合ワクチン+肺炎球菌ワクチン」でスタートするんですね。


残りの85%のWHO加盟国が2012年にどのような対応になるのか。日本の他の自治体も公費助成をはじめるのか。
ご注目ください。


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